2026年6月の最前線 【前編】 (年季明け! 旭堂左燕インタビュー)
「講談最前線」 第21回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/06/15
―― 今、どんな演目を読んでいますか。
左燕 「続き読み」を中心に取り組んでいます。旭堂南湖(なんこ)先生に教えていただき、「寛政力士伝」の中から『小野川喜三郎』。『雷電初土俵』を発端として、『陣幕と雷電』『小野川と雷電』、それに小野川と有馬公の場と、連続で手掛けています。それと甚五郎物です。発端にはじまり、『三井の大黒』まで教えていただきました。
最近では、武芸物で『浪花剣士・青地作右衛門』を速記本から起こして読んでいます。南湖先生からは連続物の中には面白い場面とつまらない場面、いわゆるダレ場がある。それらも含めて何度も高座でかけて、自分の腹に落とし込んでいかなければいけないよ、と教えていただきました。自分の中で大事にしている教えの一つです。
―― これからどんな講釈師を目指していきたいですか。
左燕 入門してまだ3年半で、持ちネタに関しても楽屋働きもまだまだだと思っています。だから年季が明けたから「やった!」ではなく、危機感を持って高座に挑んでいきたい。名古屋は東京と大阪の両方から師匠や先輩がやってくるので勉強になります。
ありがたいことに、なみはや講談協会にも入れていただきました。一番近い先輩の旭堂一海(いっかい)お兄さん、名古屋で大変お世話になっている鱗林姉さんもいるので、二人の背中を見て進んでいけますが、時に迷いが生じることもあります。それでも進んでいきたい。名古屋にいて、師匠や鱗林お姉さんが、そしてなみはや講談協会がなければ、私自身も講談を続けていないですし、つぶれていたかも知れません。
こうして講釈師としていさせてもらえていることに、ご恩返しもしなければならない。先生方が敷いてくださった道を歩かせていただいて、自分なりに進んでいきたい。この1~2年は特にそうした思いを強くして、勉強をし直していき、自分なりの色を作っていければいいと思っています。
大阪ばかりでなく、名古屋でも大須演芸場を中心に講談を聴くことができますので、ぜひ一度、聴きに来てください!

次回の6月【後編】では、大須演芸場で聴いた3人の講釈師の高座を振り返りながら、名古屋講談界の現在地と、その魅力にさらに迫る。また、「講談『太閤記』小考③」では、史実と創作が交錯する秀吉伝説を踏まえ、講談『太閤記』がどのような構成で語り継がれてきたのかを検証。講釈師たちが一年をかけて読み進める壮大な物語の流れと、その中に息づく講談ならではの面白さを探っていく。
(以上、敬称略)

▼旭堂左燕(なみはや講談協会)
▼旭堂左燕 X
(【後編】に続く)
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