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ニッポンの祭りを呑む

「二藍の文箱」 第17回

 昨年はまだ見習いだった歌坊と伺い、今年もありがたいことに勝田の敬老会にお声がけいただいたところ、毎月「下丸子ひるま寄席」で一緒の船遊亭扇歌が、石岡ご一緒してもよろしいですか、と訊いてきた。

 入船亭扇辰を師匠とする扇歌、その扇辰師匠の師匠が九代目の入船亭扇橋。扇橋の名跡は、初代から七代目までが船遊亭を名乗り、石岡で亡くなった都々逸坊扇歌(どどいつぼう せんか)は初代の門人で、八代目となる船遊亭扇歌はその都々逸坊扇歌を初代としている。――早いはなしが、石岡は扇歌所縁の地でもある。

 今年は台風25号迫る石岡の祭りを、その船遊亭扇歌とたのしんだ。もちろん、イマイズミさんとそのご家族やお仲間のお世話になって。

 そんな今年の祭りで神輿を見送っていると、「あれ? 司ちゃん?」と声をかけられたと思ったら、その10年以上前の石岡での落語会を仕切ってくれた友人の上司の方で、石岡に工房を持つ寄席文字の橘吉也さんにもご挨拶が叶った。彼は、わたしの寄席文字周りをみな頼んでる橘右之吉師匠のお弟子さんだ。

 今回、あらためておもしろかったのが、扇歌と会ったイマイズミさんの第一声が「いやぁ、こんな田舎祭りに……」で、ご自宅にあがるとお母さんが真っ先に「こんな田舎祭りに」と口を揃えて、あとからいらしたイマイズミさんの幼馴染が「こんな田舎祭りだけど」って、どれだけ「田舎祭り」って耳にしたか。

 でも、田舎祭りだからいいんじゃないか。

 雨のなか、ぼんやり灯る祭りの灯りを見ながら、扇歌に聞こえるか聞こえないかの声で、そう、つぶやいた。

▼関東三大祭り|常陸國總社宮例大祭(石岡のお祭り公認サイト)

▼府中誉株式会社|茨城県石岡市の老舗酒造

https://www.huchuhomare.com/

▼江戸文字・寄席文字 橘吉也

(文中、敬称略)

▼三遊亭司 X

https://x.com/kamata_kid

▼三遊亭司 note

https://note.com/sunyout54

(毎月2日頃、配信予定)

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