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VR演出の効果

「古今亭佑輔とメタバースの世界」 第15回

VR演出の効果

闇に浮かび上がる一振りの刀。炎と静寂が織りなす幻想の世界へ

古今亭 佑輔

執筆者

古今亭 佑輔

執筆者プロフィール

動画の先にある本物の感動

 貴方は一本の動画を見る時、どのくらいの時間、耐えることができますか?

 ショートやリール、TikTokなど、最近は30秒程度の短い動画が世の中には溢れている。YouTubeなどの動画は、倍速が当たり前。人間の集中力は益々短くなるばかりだ。

 では、落語はどうだろうか。落語もまた同様の理由から、平面の動画では観客の集中力を持続させることが難しい。

 作業用BGMのように、何かをしながら楽しむことはできるかもしれない。しかし、演者の息遣いや間合い、会場の空気感を共有できる生の高座と比べると、どうしても作品への没入感は損なわれてしまう。

 やはり、演芸は生で観るのが一番である。

 けれども、ここで問題となるのが、「どうすれば実際に会場へ足を運んでもらえるのか」ということだ。会場に足を運ぶことが難しく、YouTubeなどで落語を楽しんでいる方もいるだろう。そうした方々にとって動画配信は落語に触れる貴重な手段となっている。

 一方で、これまで落語に馴染みのなかった人が、偶然YouTubeで落語を観たことをきっかけに、寄席へ足を運ぶようになるケースは、果たしてどれほどあるのだろうか。

 SNSが主流のこの現代において、それらを活用することは必要不可欠であるが、SNSを駆使して動画を観てもらうことと、実際に寄席へ足を運んでもらうことの間には、大きな隔たりがあるように思う。

 だからこそ、「落語を広めるためには配信だ、SNSの活用だ」と安易に結論づけることはできないのである。