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2026年6月の最前線 【前編】 (年季明け! 旭堂左燕インタビュー)
「講談最前線」 第20回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/06/15
旭堂左燕 近影(なみはや講談協会HPより)
講談はいつも面白い。そして講談はいつも新しい――。講談の魅力って? 講談ってどこで聴けるの? どんな講釈師がどんな講談を読んでいるの?と、それにお応えするべく、注目したい講釈師や会の情報、そして聴講記……と、講談界の「今」を追い掛けていきます。〈2026年6月の【前編】〉。
名古屋から講談の未来を語る
6月の「講談最前線」は、4月に年季明けした、名古屋在住にして、なみはや講談協会に所属する旭堂左燕(きょくどうさえん)へのインタビューと、左燕も出演している大須演芸場の6月定席で聴いた3名の講釈師を中心とした聴講記。そして、そろそろ折り返しを迎える大河ドラマ『豊臣兄弟!』を前に、フィクションたる『太閤記』がどのような過程で成立したのかに迫ってみた。
まずは、旭堂左燕のインタビューからお届けする。
年季明け! 旭堂左燕インタビュー
一龍斎貞鳳(いちりゅうさいていほう)が『講釈師ただいま24人』(朝日新聞社)を著し、討ち入りを果たすためにはもう1グループ必要であった昭和43年。それから60年近くが経とうとしている今、東京と大阪を合わせると、講釈師の人数も東西を合わせて120名を超える人数となった。
特に大阪の講釈師は、戦後、二代目旭堂南陵(きょくどうなんりょう)が孤軍奮闘を続けていた時代があるも、その後、弟子であり、実息である三代目南陵が講談の裾野を広げ、数多くの弟子を育てていったことが、今の上方講談隆盛期に結び付いたといっても過言ではない。
そこで忘れてならないのが、「芸どころ」と言われてきた名古屋でもまた講釈師が活動しているということだ。三代目南陵の弟子である旭堂左南陵(さなんりょう)を筆頭に、左南陵の兄弟子・旭堂南鱗(なんりん)の弟子である旭堂鱗林(りんりん)。そして、この4月に年季明けをした左南陵の弟子である旭堂左燕の3人である。
ここで挙げた「年季明け」とは、主に真打制度を持たない上方落語界や浪曲界(浪曲界では「名披露目」とも)で用いられる言葉で、ざっくりと記せば、入門して楽屋修業を4~6年勤め上げれば、一人の芸人として認められるということで、いわば一人前の仲間入り……としたら、おかしな表現であろうか。
今回、三重、千葉、東京、大阪での生活を経て、左南陵に入門した旭堂左燕に、名古屋での入門を選んだ経緯、現在、取り組んでいる話、今後の目標などを尋ねてみた。旭堂左燕、期待の若手講釈師であることがわかるかと思う。
―― 年季明けということで、おめでとうございます。早速ですが、左燕さんと講談との出会いはどういったものであったのかをお聞かせください。
左燕 大阪の小劇場を中心に活動していた劇団で演劇活動をしていたんですが、コロナ禍と重なって稽古ができなくなってしまったんです。その頃、主催者から話し方の勉強のために講談を勉強してみないかと言われたんですが、当時は落語も講談も区別ができなくて、松之丞(まつのじょう)という名前であった神田伯山(かんだはくざん)先生の「寛永宮本武蔵伝」の『狼退治』とかの動画を見て面白い!と。
もともと歴史が好きで日本史の本も好んで読んでいましたし、講談は芝居と歴史が合体したような芸に思えて、自分の胸の内にストンと落ちてきたんです。
―― それまで落研で活動していたとか、芝居以外で喋る機会というのはあったんですか。
左燕 大学の学部生時代に文学座の演出の方がいらっしゃってリーディング公演をするというイベントがありました。『ヴェニスの商人』でしたが、それが面白かったことを覚えています。
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