第2回 リアルインスタンスレポート

「古今亭佑輔とメタバースの世界」 第13回

第2回 リアルインスタンスレポート

池袋演芸場で開催された、VRユーザーのための落語会の様子をお届け!

古今亭 佑輔

執筆者

古今亭 佑輔

執筆者プロフィール

寄席に初めて行ったのはいつですか?

 貴方は、寄席に初めて行った時のことを覚えていらっしゃるだろうか。

 自分は覚えている。「落語という文化に触れるんだ」と、まるで学校行事で伝統芸能を見に行くぞというような気持ちだった。

 大概、落語家になる人は「この師匠に弟子入りしたい」と心を決めるまでに、誰か身内に落語が好きな人がいて、身近に落語というものがあったり、落研に入って落語の魅力を知り、そこから落語を見るために寄席に通いつめたりと、そういうものであるが、自分は少し違った。

 残念ながら自分の周りには、「落語は面白いものだ」「知識がなくたって、楽しめるものだ」と教えてくれる先達はいなかった。まあ、すぐに落語に魅せられて入門を決意するわけではあるが、とにかく自分にとって落語は「敷居の高いもの」であった。

 自分も日頃からオンラインで初心者向けに落語をやっていて、そういう感想をよく耳にする。今や落語は「身近なものではない」「大衆芸能ではなくなっている」という自覚と危機感を持たなければならない。

再集合!? 第2回イベントの様子

 池袋演芸場に、若者が大勢並んでいた。主な年齢層は20~30代。通常の寄席ではあまり見ない光景である。

 今年(2026年)の8月29日、「第2回 VRC落語会 リアルインスタンス集合?!」が池袋特選会で行われた。

 「インスタンス」を簡単に説明すると、VRChat(仮想空間のプラットフォーム)における「部屋や空間のようなもの」である。インスタンスをつくることで、そこに人々が集い、話したりイベントをしたりすることができる。また、インスタンスに参加することを、VRChat用語で「ジョインする」という。

 つまり「リアルインスタンス集合」とは、「現実世界の空間(寄席)に集う」という意味である。その会場が今回は池袋演芸場という寄席であった。

 池袋の特選会は貸し席であるが、実際の寄席にVRユーザーが集うことに意味がある。落語に興味は出たけれど、実際の寄席に足を運ぶにはなかなかハードルが高いという人がたくさんいる。そんな人たちの足がかりとなってほしいという想いでこの企画を始めた。

 今回は、この第2回の様子をレポートしたい。