四合目 ~京都漫遊記 〈弐〉
「伯知の日本酒漫遊記 ~酒は“釈”薬の長」
- 講談
松林 伯知
2025/11/01
今回は「キザクラ・カッパカントリー 黄桜記念館」(京都市伏見区)を訪れました
酒蔵より目立つ坂本龍馬!?
さて、やって来た京都伏見。多くの酒蔵がある土地だが、酒蔵に向かおうと歩いて行くと……必ず目に入るのが、坂本龍馬の姿である。龍馬ゆかりの史跡、寺田屋がこの伏見区南浜町にあるため、通りの名前も「龍馬通り」。
「坂本龍馬は人気だなあ……」
シミジミ思う。佐幕派ファンでも倒幕派ファンでも「坂本龍馬が嫌い」という人はまず見かけない。明治大正期の講談を読んでも、快男児として扱われ、あちらこちらに登場している。

そして「坂本龍馬ファン」といって思い出すのは、やはり神田陽司(かんだようじ)兄さんである。入門早々、同じ幕末好きと知っていたので、ウキウキと自分は「新選組ファン」であると伝えたのだが……。
「フ~~ン……新選組ねぇ。……じゃあ敵側かぁ。そのうち、幕末ものの講談ネタは全部取られちゃうのかな~」
などと呟いていた。『イヤイヤ、そんな訳あるかい!』『龍馬は、敵というほど敵じゃなくない!?』とツッコミたくても哀しいかな、前座見習いの身分。口にはせねど、胸の内……。
後々、“コアな女子ファンからの「ワタシの〇〇さんのイメージと違う! (>_<)」的な指摘”を警戒していただけだったらしいことがわかったのだが……。懐かしい思い出である。
「坂本! 浪士隊を人殺しと呼ぶか! 同門のよしみで見逃してやろうと思ったが、やはり貴様らは不逞浪人だ。一応取り調べなくてはならん。表へ出ろ」
「やっぱりやるんか……。山南さん。気が短うなったなあ。浪士隊の悪いクセがうつったんじゃな」
「おい、手伝ってくれ!」
「はーい!」
突如、襖を蹴り倒して飛び込んで参りました若者。山南と同じ浅葱色に山形を白く抜いた羽織を着ております。
「沖田総司、ただいま参上!お待たせしました。っていうか、僕が待たされちゃった。~(略)~ねえ、山南さん、こいつら、敵ですか? 敵でしょう? 切っていいの?」
「沖田くん。あまり軽くならないでくれ。ただでさえ沖田ファンの反発がコワイんだ。いや、切らないで捕らえなさい」
神田陽司『坂本龍馬と新選組』
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