優しさと知性で物語を紡ぐ 田辺一邑(後編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第20回
- 講談
瀧口 雅仁
2025/11/30
師匠への思い
――ズバリ、田辺一鶴、どんな人でしたか。
一邑 「破天荒な人」です。こういう人は今後現れないだろうなと思います。もっと言えば、今の時代、現代社会では許されないような人かも知れません。師匠は古本屋をやっていたんですが、注文した商品が届かないとかクレームばかりでした。でも、常に前しか見ていない人でした。「次はこんなことをやる!」「来年こそ、売れてみせる!」って。散々売れた師匠なのに、もう一回売れたいという欲を持ち続けていました。
――私の母親も、講談というと、一龍斎貞鳳(ていほう)先生か、一鶴先生の名前を出していました。私の世代でも、テレビの寄席番組等に出演されていた講釈師と言うと、一鶴先生を真っ先に思い浮かべますし、講釈師と言えば!の認識が強くあります。
一邑 あの頃の栄光をもう一度!という気持ちが強かったんだと思います。でも時たま、「師匠、たまには後ろを振り返って、反省してください」って、そんなことを言いたい時もありました(笑)。
――今の講談界があるのも、常に前進し続け、多くの門人を送り出した田辺一鶴がいたからとも言えます。
一邑 そうですね。そんな田辺一鶴という破天荒で、カオスな講釈師がいたということを伝え残していきたいですし、その弟子や孫弟子が活躍しているということも知ってもらいたいので、ぜひ、12月18日の新宿講談会に来てください。お待ちしております!

(以上、敬称略)
▼講談師 田辺一邑 公式ホームページ
▼田辺一邑(講談協会 公式HP)
(了)
追善の講談会(昼の部・夜の部)はこちら。

新宿講談会
田辺一鶴十七回忌追善興行
〈昼の部〉
- 日程:
- 12月18日(木) 開場12:30 開演13:00
- 会場:
- 新宿永谷ホール(Fu-)
(新宿区歌舞伎町2-45-5 新宿永谷ビル1F) - 出演:
- 田辺凌々
- 田辺一記・宝井一凜
- 「三方ヶ原軍記」(車読み)
- 田辺鶴遊「生か死か」
- 田辺南北「お楽しみ」
- 田辺銀冶「東京オリンピック」
- 田ノ中星之助「瞼の母」
- 宝井琴梅「名月若松城」
- 料金:
- 予約2,800円 当日3,000円
- ご贔屓連2,000円
- 詳細・予約:
- 講談協会 公式ホームページ
- →新宿講談会 昼席

新宿講談会
田辺一鶴十七回忌追善興行
〈夜の部〉
- 日程:
- 12月18日(木) 開場17:30 開演18:00
- 会場:
- 新宿永谷ホール(Fu-)
(新宿区歌舞伎町2-45-5 新宿永谷ビル1F) - 出演:
- 田辺凌々
- 田辺凌天・田辺いちか
- 『三方ヶ原軍記』(車読み)
- 田辺凌鶴『高野長英』
- 桃川鶴女『瓢箪屋政談』
- 田辺一乃『東京オリンピック』
- 田辺一邑『英国密航』
- 田辺鶴英「田辺一鶴物語」
- 料金:
- 予約2,800円 当日3,000円
- ご贔屓連2,000円
- 詳細・予約:
- 講談協会 公式ホームページ
- →新宿講談会 夜席
(了)
こちらもどうぞ(宝井琴鶴先生のエッセイ)
―― 瀧口雅仁『釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編』連載一覧
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