VR落語を始めて1年経った今
古今亭佑輔とメタバースの世界 第7回
- 落語
古今亭 佑輔
2026/01/05
インターネットの文化
インターネット文化の1つに、オフ会がある。オンライン(インターネット上)で知り合った人たちがオフライン(現実世界)で集うことを言う。
それはどんなコンテンツでも頻繁に行われている。インターネットが常に身近にある時代、昨今では「ネットで知り合うことのほうが多い世の中になってきている」と言っても過言ではない。
VRChat(プラットフォーム)上でも、それは例外ではない。年に数回の単位で行われるイベントがある。そこで出店をしてブースを構え、ファンと交流したり、普段インターネット上で交流しているフレンド(友人)に会ったりする。VRC落語会も、本年はその仕組みを上手く利用していきたいと考えている。
インターネットから現実世界への動線というのは、本来VRで落語をやる上で自分が大切にしてきたことでもある。
インターネット上の出会いだけでも十分に魅力のあるものも多いが、落語に関しては、やはり現実世界に勝るものはない。VR上のパフォーマンスは普通にやったのでは、表現の繊細さや現実味に欠ける。
実際に寄席に行って見ていただければ、より感じてもらえると思うが、生の舞台は良い。舞台上には演者以外に何もないからこそ、表現の自由が生まれ、余白に想像の余地が生まれる。落語はお客様の頭の中で想像を膨らませることで噺がはじめて完成する。
ところが何でもできてしまうからこそ、VRではその余白を感じてもらうことは難しい。むしろその余白を埋める作業を行わなければならないのが、残念ながら現実だ。やはり演者の自分としては、実際にご自身の目で見てもらいたいと強く願う。

再三お伝えしているように、VRの魅力はまた別の所にある。VRでしかできない表現も引き続き模索していく予定だ。
普段、落語を口演する際とはまったく異なったプロセスをとるVR落語は、自分としても非常にやり甲斐を感じている。さらに、新しい表現や可能性の追求は、最終的には多少なりともVR業界への恩返しにもなるのではないかと考える。
VRでも、リアルでもまだ情報は公開していないことも多いが、ぜひ本年の試みにご期待いただきたい。
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