帝釈天
「くだらな観音菩薩」 第10回
- 落語
林家 きく麿
2026/02/16
男前すぎる仏様と月うさぎ
そして、ため息をつかなさそうな今回の仏様は、京都の東寺にいらっしゃる帝釈天様です。
勝手にため息つかないなんて言ってますけど、なんせこの帝釈天様は、男前なんですよ! 男前の仏様といえば誰だい!? そりゃぁ東寺、教王護国寺の講堂にいらっしゃる帝釈天様よ! って船の上で旅人が話をするくらい、キリッとしてかっこいいです。

(クリックすると拡大します)
仏教界では、梵天様と並んで二大善神であり、民の善行を喜び、悪行を戒めるんだそうで、悪いことをしていると、いろんなものに姿を変えてあらわれるそうです。悪いことしてる人は、気をつけましょうね。。。
有名な話で、月うさぎさんのお話があります。
困ってる人に何か食べ物をさし上げようと、ほかの動物たちは山や川で木の実や魚を取ってきた。うさぎは一生懸命に探したけれど、何もなかったので、自分を捧げようと火の中に飛び込んだ……という話があります。その時の困っていた人が帝釈天様です。うさぎの立派な行いに、帝釈天様は、うさぎを天の月に登らせてあげたと言います。
うさぎが、死んじゃった話と、毛の一本すら燃えずに無事だったとか、何通りかありますが、子供たちに聞かせる時は可哀想だから、死んでない方が良いんだろうね。
自己犠牲は素晴らしいけど、「私には何も差し上げる物がございません、なので私を食べてください」とか言って目の前で火に飛び込まれたら、トラウマになっちゃうよね。「ありがと~」って泣きながら焼けたうさぎを食べるのも気持ち悪いし。今の時代なら「きちんと話そうね!」って注意されるよね。
「あなたの気持ちは嬉しいけど、きつねさんがお魚くれたし、猿さんが木の実をくれたから、何もあなたが死ぬことはないですよ! やめて、火に飛び込むなんて、親切の押し付けっていうんだよそういうの!」って言われると思うんだよなぁ。やはり、報告と連絡と相談、“ホウレンソウ”は大事ってことですな。
そして、何度注意してもそれができない弟子を持つと、師匠はため息ついちゃうだろうね。
▼林家きく麿X(旧Twitter)
(毎月16日頃、配信予定)
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