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4月4日は、推し推しの日

「かけはしのしゅんのはなし」 第11回

 そんな中、先々月、メンバーのひとり(以下、Aさん)と対面を果たしました。

 キャパ2,000人ほどの会場でのファンクラブイベント。本来はドーム公演を埋めるほどの活動をしているのですが、個人イベントは「ファンとの距離を近く」ということで、会場の規模を抑えて、毎回趣向を凝らした催しとなっています。

 今回のコンセプトは『スナック』という設定で、常連客であるAさんがスナックにやって来たという体でお喋りをしたり、歌ったりする1時間公演でした。

 会場も大盛り上がりで、ラストの曲を歌い終わった後に「いまから2次会に行くから、またね」という言葉を残し、舞台を去るAさん。2次会がある設定ながら、客席の我々は参加できずに各々帰るものだと規制退場のアナウンスを待っていたところ、出口付近から悲鳴に近い大きな歓声が聞こえてきたのです。

 客席が「なんだ?」とざわついた雰囲気になっていたところ、舞台上のスクリーンに映し出されていたのが、お客さんに手を振りながら笑顔でお見送りするAさん。しかも、お客さんとAさんの間には長机が置いてあるだけの超至近距離。

 会場のファンは大興奮です!

 スクリーンには、手を振ってもらう人や、自分の名前を書いた紙を持って名前を言ってもらいたい人、片手ハートを作って両ハートにしてもらいたい人など、さまざまでした。

 そんな中、私も出口に向かう列に並ぶことになり、だんだんと近づく白いパーティション。その向こうから聞こえる歓声。間違いない、そこにAさんがいる――!

 緊張と嬉しさで胸が高鳴る中、気がつけばパーティションの目の前。スタッフの方に促されて一歩進んだ先に現れたのは、Aさん。

 テレビより細い! 色白!! カッコいい!!!

 心臓はドキドキ。目と目が合う。私を見て明らかに年上の男性ということでちょっと驚いたであろう、Aさん。軽く会釈をしてくれた。それを見て、焦った私も反射的に会釈をする。

 ただ、このままだと終わってしまう。頭の中に、スクリーンに映っていた片手ハートをするファンの姿が浮かんできた。

 一生の思い出。Aさんと片手ハートをやってみたい! 顔を上げると同時に、右手を片手ハートにして笑顔で目線を送った。