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旅路(上)

「座布団の片隅から」 第14回

 兼矢の地元、岩国へ到着。着いた早々に駅で兼矢が、タクシー“乗り場”とタクシー“降り場”を間違える。

兼矢「いやー、昔は逆だったんですけどねぇ」

 そんなわけないだろ!!! 兼矢は人の粗探しはするくせに、自分の時はあまりイジらせずに話を変える(笑)。その点において右に出るものはいない。

 会場の「普済寺」(ふさいじ)さんへ到着。兼矢の同級生の親御さんらしく、皆様良い人たち。兼矢の同級生の方も落語を聞いてくださるそうだが、お寺さんの修行があるそうで、トリの兼矢が落語をやっている最中に中座しますとのこと。

 会場へ着くなり、兼矢が言った。

兼矢「もう打ち合わせは万事済んでるので、兄さん方は落語をやってもらうだけですから、安心してください!」

 早速、落語会の会場をチェックに行って驚く。高座がない! 代わりに、始皇帝が座るような厳かな椅子が出ている。

兼矢「今日の高座は、これです!」

 これ、とてつもなく偉いお坊さんが座るやつだろ!! 手すりがついてるぞ!!! 後でわかることだが、お寺さんではこれを“高座”と言うらしい。

 なお、車で参拝に来るお客様がいるので、誰かが落語会用の駐車場へお客様をご案内する必要があるとのこと。結局、らっ好兄さんと兼矢が着物を着たままで駐車場の交通整理、僕が受付をすることになった。

 兼矢よ、落語やるだけじゃなかったのか! 話が違うぞ!!

 イレギュラーな事態に心配したが、とっても陽気なお客様でひと安心。

 兼矢がトリで「猫の災難」をやっていたら、ちょうど兼矢の同級生の方が修行へと旅立つため、玄関から出発。その瞬間、ファミリーマートの入店音と同じ音が会場中に鳴り響いて、その日一番の大ウケ。素晴らしい旅立ち。タイミングも兄ィが入ってきた場面で完璧だった。

 落語会の後に錦帯橋を観光して、感動。