旅の話

「お恐れながら申し上げます」 第11回

「扇ぽう」の覚醒

 この旅で、意外と辛かったことは、「お腹が空かない」ということです。朝はホテルで朝食をいただきます。昼は楽屋でお弁当を用意してくださっています。夜は皆で食事をします。過度な運動は、もちろんしませんし、何かお腹の空くような出来事が起こるわけでもありません。胃の中に何かある感覚が、ずっと続くのは初めての体験でした

 また、お弁当が本当に豪華なんです。「ありがたいな」と心の底から思います。「美味しいな」と思って食べます。頭は感謝でいっぱいです。お腹は昨日の夜からいっぱいです。それでも残すわけにはいかない。スタッフの方の真心がこもったお弁当です。

 無心で箸を口に運んでいる時に、私の中の「扇ぽう」が本気を出しました。いくら食べても、まだ入る状態になったのです。前座の頃は、「残しちゃいけない」と思って食べているうちに、食べられる量も増えて、スピードも早くなっていきました。「あんちゃんは柳家だからよく食べるね」と言われてました。その頃の身体に戻ったと言っても過言ではないでしょう。

 それから先のことは、あまり覚えておりません。「扇ぽう」に心身ともに乗っ取られていたのでしょう。気がついたら、師匠のお宅で着物を干してました。

 10日間の旅のうち、初めの3日間のことしか書けませんでした。色々とあったのですが、収まりません。師匠と二番太鼓を叩いたこと、太鼓の叩き方で師匠に注意されたこと、字が汚いと師匠に言われたこと、色々と思い出があります。ほかにも美味しいラーメン、おしゃれなバーなど、楽しい思いをさせていただきました。島根県には、旅行でもお邪魔したいなと思います。

 無事に東京に帰ってきた扇太でした。

入船亭扇太 X(旧Twitter)

https://x.com/sentairihunetei

宣伝で恐縮ですが……ご来場をお待ちしております!

  • 日程:
  •  2026年9月26日(土)
  •  開場 17:30 開演 18:00
  • 会場:
  •  三櫂屋
  •  (新宿区舟町4北村ビル 2階)
  •  →Googleマップ
  • 出演:
  •  入船亭扇太
  • 料金:
  •  予約・当日 1,000円
  • ご予約:
  •  メール → sentairihunetei@gmail.com

(毎月11日頃、配信予定)