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一途に講談を生きる 田辺いちか(中編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第42回

新たな演目への夢

いちか 兄弟子の凌鶴(りょうかく)、姉弟子の一乃(かずの)、また一門の先生方にしても、みんな作るということが当たり前なのが田辺派なんですよね。だから二ツ目になって、神田愛山(あいざん)先生にお稽古をつけてもらえるようになって、目の前で聴かせていただいて……というのが、ものすごく新鮮でした。

いちか 先生の話はどれも大好きで、いつか『骨の音』も教えていただきたい。

いちか 私はあの時代感、ちょっと昔の時代感に声が合うと言われることがあるので、しびれるほど大好きな話なので、いつかお願いできたらと思っています。

いちか 披露目の準備にかかりすぎていて、余裕がないというのが実情です。今、(一龍斎)貞花先生に教えていただいた『忠僕直助(ちゅうぼくなおすけ)』を何度も何度も読んでいるのですが、五代目の(一龍斎)貞丈先生の音を聴いていると、寄席サイズに短くして読んでいるんですよ。「こういうことをされていたんだ! すごい」と思っています。

 ハイライトシーンにスポットを当てて、前半はパパパッと説明して、あのコンコンコンコンというところをガーッとやって、15分でバッとやってて、カッコイイ!って。

いちか 耳に心地よくて、言葉が明晰で、全然急ぐことなく、何が起こっているのかがわかる。テンポもものすごく速いんですが、心地よい音なんです。昔の講釈師の先生方はこうやって寄席でも読んでいたんだなあと勉強になります。私も今、鈴本さんに入らせていただくこともありますし、寄席でも活躍される(宝井)琴調先生から一席を15分にするご苦労をうかがったこともあります。

 また寄席は連携プレーですから、開口一番からの流れや空気を壊さずに、どうすれば自分の講談が読めるのかというのが課題です。渡ってきたバトンを受け取らせていただき、その空気の中で、私の高座で講談というものを知っていただく。もちろん時間も調整しなければなりませんが、ものすごく楽しくて、最高の場だなと感じています。

(文中、敬称略)

田辺いちか(講談協会 公式ホームページ)

田辺いちか オフィシャルサイト

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(後編に続く)