NEW

情熱に出会い、魂を語る 神田紅(前編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第44回

華やかさの裏にある覚悟

 それなりに綺麗だったことでしょうか?(笑)。

 ありがとうございます(笑)。うちの師匠は女性でも弟子に取らなかったことがあるんです。今はルッキズムだと言われる時代でふさわしくないお話かもしれませんが、フェミニストであった師匠が、弟子入り希望の女性を、私に遠回しに断ってほしいと言ってきたことがあります。

 見てくれにこだわっていたのか、若い頃に女遊びを散々してきた人なので、見抜く力と言えばよいのか、あの時代は綺麗でないと生き残っていけない。それが第一にあって、その子は、芸界に向かないと感じたようなんです。

 私の上の世代では、師匠が育てた天の夕づるさんも芸の中から出てくる色気がありました。それを考えると、今の時代は綺麗でなくても、何か特徴があって、個性が活きる時代になったと思います。

クリックするとAmazonに移動します

 ほっとしています。実は今年(2026年)の2月28日にドバイにいたんですが、イランの戦争に巻き込まれて、泊まっていたホテルの前に迎撃されたミサイルのデブリ(破片)が落ちて爆発炎上し、一週間ドバイに留め置かれたんです。

 命の保証もないですし、いつイランから弾が飛んでくるかもわからない。言葉もほとんど通じないですし、そんな中、ホテルも変わらなくてはならないという、明日もわからない状況にあったんです。

 日本政府のチャーター機で3月8日に帰国して、すぐに5月上席の新宿末廣亭での(雷門)助六師匠主任の住吉踊りの稽古に入らねばならず、相当ストレスがたまっていたのか、ドッと疲れが出て、5月上席は何とか務めたのですが、その後、咳喘息になって。そこからは咳との戦いで、声も出なくなって、寄席も代演してもらいました。会長を降りていて、本当に良かったと思いました。