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情熱に出会い、魂を語る 神田紅(前編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第44回
- 講談
心惹かれる不屈の人生
―― 先生もお住まいの向島には荻野吟子の終焉の地もあります。
紅 小梅町ですね。建物はありませんが、説明板が立っています。
―― 医療従事者と言っていいのでしょうか。先生が講談として取り上げるのはそういう人物が多いので、キーワードなのかなと思っています。
紅 確かに中村哲(なかむらてつ)さんは医師ですし、高場乱も眼科医ですが、たまたまなんです。女ながらも男のように生きてきた人が好きなんです。
―― そんな荻野吟子の魅力を挙げるとすれば、どんなところですか。
紅 私が一番力を入れたいのは、門戸が開かれていない時代や世界で、自分でこじ開けていったところで、そこを聴いてもらいたいですね。女の人に医師の道が開かれていないどころか、学問の道さえ許されていない。どこの学び舎にも入れないんです。何とかツテをたどって学んだとしても、今度は国家試験を受けさせてくれない。ここで二年という歳月が経ってしまう。でも決して諦めない。
確かに恵まれた家の出身なので、ツテはいろいろあったにせよ、何か方法があるはずだと必死になって己の道を探していくのは凄いと思います。彼女は夫にうつされた淋病(りんびょう)に罹って、症状も時々現れて、子どもが産めない身体になって、目の前が真っ暗という状況でありながら、自分と同じ思いをしている女性のためにも、女医にならなければならないと考える。
諦めない心に人間としての凄みを感じます。普通の人であれば諦めてしまう。彼女を突き動かしたものが何なのか、興味ありませんか。

次回の〈中編〉では、神田紅が挑む創作講談の世界に迫る。荻野吟子、伊藤野枝、柳原白蓮(やなぎわらびゃくれん)、マリリン・モンロー……と、時代を超えて輝く女性たちを、なぜ語り続けるのか。人物の心に入り込み、情熱に取り憑かれたように作り上げる紅流人物伝。その創作の秘密と、名作誕生の舞台裏を明かすインタビューをする。
(文中、敬称略)

▼神田紅(協会員紹介 日本講談協会 オフィシャルサイト)
▼神田紅オフィシャルウェブサイト
▼神田紅 X
今後の公演予定はこちら。ご予約、ご来場お待ちしてます!

池袋演芸場 8月中席 夜の部
神田紅 主任
- 日程:
- 2026年8月13日(木)、14日(金)、15日(土)
- 夜の部(16:45~20:30)
- 会場
- 池袋演芸場
- (豊島区西池袋1-23-1 エルクルーセ)
- → Googleマップ
- 出演:
- 神田紅(主任) ほか
- 料金:
- 一般 3,000円 学生 2,500円
- 小人 1,800円 着物 2,500円
- 六十五歳以上 2,500円

浅草演芸ホール 8月中席 昼の部
吉例 住吉踊り
- 日程:
- 2026年8月11日(火)~20日(木)
- 昼の部(10:30~16:20)
- 住吉踊り 15:30
- 会場
- 浅草演芸ホール
- (台東区浅草1-43-12)
- → Googleマップ
- 出演:
- 古今亭志ん彌、春雨や雷蔵、
- 古今亭菊春、三遊亭円王、
- 初音家左橋、三遊亭𠮷窓、
- 三遊亭歌る多、古今亭菊千代、
- 三遊亭とん馬、神田紅、
- 宝井梅福、立花家橘之助 ほか
- 料金:
- 大人 4,000円 学生 3,500円
- 子供 2,500円

第18回 神田紅独演会
- 日程:
- 2026年11月27日(金)
- 開場 18:00・開演 18:30
- 会場:
- 曳舟文化センター
- (墨田区京島1-38-11)
- → Googleマップ
- 出演:
- 神田紅
- ゲスト:田中傳十郎(歌舞伎囃子笛方)
- 料金:
- 4,000円(全席指定)
- ご予約:
- 株式会社クロスポイント
- 電話 → 03-3405-4990
- (平日11:00~17:00)
(8月10日配信予定の〈中編〉へ続く)
こちらもどうぞ。神田紅先生の二番弟子・松林伯知先生へのインタビュー
―― 瀧口雅仁『釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編』連載一覧
三番弟子・神田紅佳さんへのインタビュー(2025年10月 配信)