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情熱に出会い、魂を語る 神田紅(前編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第44回

十年間背負った舵取り

 小さな組織ではありますが、運営していく中で細かなことも含めて、会長として対処しないといけないことがたくさんあって、それに振り回されることも多くありました。会長を引き受けてくれた神田昌味(まさみ)さんも「こんなに大変だとは思いませんでした!」って。

 プレッシャーもありますし、責任もある。高座だって責任ある高座を務めなければならない。いろいろな判断をしなくてはなりませんし、そのためにも健康でなければいけない。だから降りてよかったというのが、正直な気持ちです。

 協会には力のある講釈師がいますし、会員間のバランスや舵取りが大変でした。昌味さんにも、社会の動きをしっかりと見据えて、決断していってほしいと伝えました。

 「輝く女性シリーズ」と呼んでいて、一昨年は葛飾北斎(かつしかほくさい)の娘であるお栄(えい)など、創作講談をやってきたのは女性の生き方に迫っていきたいと思ってきたからで、やっとそれができるようになって、またそういう人たちに出会えて、それが形にできたのはよかった。

 本当は来年、芸道50年なので、そこに当てたかったんです。私、医師志望であったので。ところが今年、取り扱う人にどうしても巡り合えなくて、来年のことなんか今からわからないから、やりたい時にやっておこう!と思って決めました。

 この間も熊谷の荻野吟子記念館まで行ってきて、吟子が一時期暮らした北海道にも行かなくてはと思っているところですが、今、いろいろと資料を集めています。