羅怙羅尊者

「くだらな観音菩薩」 第18回

あの日生まれた新しい夢

 そして、ここからが本番です。

 その日は、私も高座があったのですが、「落語の山台(やまだい)を作るのは大変だから、きく麿も立ちの高座でやって」と白鳥師匠に言われました。

 立ちでやるのか……。

 ん~、じゃあ、せっかくだから「浪曲を唸るお姉さんが出てくる噺、『殴ったあと』をやります」というと、その場にいた皆さんから「三味線を入れてもらえば?」の声。「いやいや、そんなことできないですよ~」と言ってはみたものの、曲師の方に三味線を入れてもらえたら楽しいだろうなぁ~と、心がウズウズし出しました。

 もう、やってみたい~の心あるよ! ワタシ、チャミセンイレテ、ロキョクゥヤテミタイアルヨ、と国境を越えたやりたい感が湧き出てきました。

 楽屋入りした曲師の玉川鈴さんにお願いしたら、「やってみたいです!」と快く受けてくださり、軽い打ち合わせをしました。本当に軽い打ち合わせだけなのに、本番であれだけ合わせてくださるとは、プロって凄いなぁと改めて思いましたよ。

▲三遊亭白鳥師匠のXより
 (クリックすると音が出ます)

 私は、三味線が入って、

 「あーーー気持ちぃぃぃぃ~。これは癖になる。またやりたいなぁ~……」

 あ! そうだ、11月下席の鈴本演芸場でトリを務めるから、その時にやっちゃおう!と軽い感じでネタ出ししちゃいました。玉川太福師匠の『地べたの2人 ~おかず交換~』『殴ったあと』『浪曲版歯ンデレラ』の三席です。曲師は鈴さんに頼みました。

 あ~楽しみだけど、めちゃくちゃお稽古しないといけないよ。がんばれ自分! 11月21日から11月29日までです。上野の鈴本演芸場、夜席で待ってまーす。

 あと、小里ん、正雀、小ゑん、はん治、圓太郎、歌奴、司、花いちの8人の師匠方が仲入り前に『歯ンデレラ』をやってくださいます。11月7日だけ、私の弟子の“林家くび麿”が登場です。これも楽しみだなぁ~。

 「浪曲なんて本当に難しくて、無理です!」という顔をしながら、心の中では自信満々で唸れるようにお稽古するので来てくださいね。