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〈書評〉 ゾンビ回収婦 (小砂川チト 著)

「“本”日は晴天なり ~めくるめく日々」 第17回

人間という名のゾンビ

 特定の人物を思い描いて罵っているようになってしまったが、私が知る限り、そんな落語家の話はまだ聞いたことがない。少なくとも知っていたらこんなことは書かない。でも、きっとこれからは上手にAIを使える人が活躍していく時代だということも分かっている。

 噺を聴いてくれるお客さんのほうでも「AIを使って、上手に面白く噺を作るのも才能でしょ?」という人はいるだろう。それよりも「落語家なんだから、AIが真似できない話芸に力を注ぐべきじゃない?」という人も。

 「そもそも茶光さんの新作は、好きじゃないかな」

 キーーーーーーーーーーーー!!

 一回、二回聴いただけで俺のすべてを否定すな! じゃあ、あなたが面白いと思う芸人は誰なんですか? はいはい、なるほどね! あなたね、面白いというのはね!

 ――いや待てよ、そいつ誰だ?

 back numberーーーーーー!!!

 実際に会ったわけではないけど、こういう考えのお客さんは当然いらっしゃるだろう。そして、笑いには好みがあるのでそれは仕方ない。

 VRの中は、ゾンビによって壊された世界で、その中のホテルで女はゾンビの死骸を掃除する“ゾンビ回収婦”として日々を繰り返す。現実とVRの世界、AIと人間とゾンビ、現実と虚構が混ざり合う。

 これは小説の中だけの話ではない。今後、進化を続けるAIに支配された世界で、人間は生きたゾンビとなるかもしれない。

(文中、敬称略)

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  • 書名 : ゾンビ回収婦
  • 著者 : 小砂川チト
  • 出版社 : 講談社
  • 書店発売日 : 2026年7月
  • ISBN :9784065441121
  • 判型・ページ数 : 四六判・160ページ
  • 定価 : 1,980円(本体1,800円+税)

(毎月1日頃、配信予定)

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