〈書評〉 8番出口 (川村元気 著)
「“本”日は晴天なり ~めくるめく日々」 第6回
- 落語
- Books
笑福亭 茶光
2025/12/01
迷いながらも出口へ
ゲームの『8番出口』には、背景になるようなストーリーはない。「異変を見つけて地上に出よう」という、とてもシンプルな内容でありながら、その不気味さが魅力となり惹きつけられる。
こんな奇想天外な状況を映画化、小説化したのが映画監督で小説家の川村元気さんだ。
主人公が抱える「罪の意識」、これがきっかけとなり、主人公は謎の地下通路へと迷い込んでしまう。『8番出口』の重要キャラである「通り過ぎるおじさん」が「通り過ぎるおじさん」になるまでも描かれ、またゲームには登場しないキャラクターも数名登場するが、『8番出口』の世界観を壊すことなく、物語に厚みを持たせている。

▼NEWS|映画『8番出口』
主人公の苦しみと葛藤、8番出口で彷徨う中で、迷いながらも出口へ向かおうとする姿が現実の迷いや葛藤とリンクする様が描かれる。ゲームの不気味さを保ったまま、主人公の物語が繰り広げられていく。
このお話の主人公には、名前がない。「名もなき男」だそうだ。川村さんへのインタビューによると「名もなき男=世間」としているらしい。どこにでもいる大勢のうちの一人。確かに冒頭の電車内のシーンは身につまされる思いがする。
ゲームの世界で味わった不気味さを、小説でも損なうことなく感じさせてくれる一冊。

- 書名 : 8番出口
- 著者 : 川村元気
- 出版社 : 水鈴社
- 書店発売日 : 2025年8月
- ISBN : 9784910576046
- 判型・ページ数 : 文庫判・176ページ
- 定価 : 976円(本体888円+税10%)
2025年12月のピックアップ公演はこちら。ご予約お待ちしてます!

笑福亭茶光の
『忘年会したい夜・・』
- 日程:
- 12月29日(月)
- 開場18:30 開演19:00
- 会場:
- シン・道楽亭
(新宿区新宿2-14-5 坂上ビル1F) - →Googleマップ
- 出演:
- 笑福亭茶光
- 春風亭昇りん(ゲスト)
- 料金:
- ご予約2,000円 当日2,500円
- 打ち上げ:
- 2,000円(オードブル・ワンドリンク付)
- ご予約:
- →笑福亭茶光の会 予約フォーム
(毎月1日頃、掲載予定)
―― 笑福亭茶光『“本”日は晴天なり ~めくるめく日々』シリーズ連載一覧
いま読まれています!
「くだらな観音菩薩」 第12回
日光菩薩と月光菩薩
~怒りと笑いを行き来しながら、菩薩様のような優しさに辿り着くエッセイ
林家 きく麿
2026/04/16
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「お恐れながら申し上げます」 第8回
三櫂屋というお店
~仕込み、接客、失敗、反省、すべてが詰まった、扇太さんのリアルな青春バイト譚
入船亭 扇太
2026/04/15
「二藍の文箱」 第2回
旅路はすべて酒のなか
~日常を忘れ、列車と酒に身を委ね
三遊亭 司
2025/07/01
「噺家渡世の余生な噺」 第12回
教える者が、教えられた日
~生徒を裏切った、最後の授業。教える者の責任と弱さを綴る、苦くも温かなエッセイ
柳家 小志ん
2026/04/14
「くだらな観音菩薩」 第11回
閻魔大王
~素敵な人との出会いは、財産だ!
林家 きく麿
2026/03/16
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第6回
社会派講談の旗手 神田香織(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2025/07/27
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「くだらな観音菩薩」 第10回
帝釈天
~うまくいかない日もあるけれど、楽しいことを探す力があれば大丈夫!
林家 きく麿
2026/02/16
「二藍の文箱」 第5回
異国の路地、迷子の入口
~日常を脱ぎ捨て、台湾へ!!
三遊亭 司
2025/10/02
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「くだらな観音菩薩」 第12回
日光菩薩と月光菩薩
~怒りと笑いを行き来しながら、菩薩様のような優しさに辿り着くエッセイ
林家 きく麿
2026/04/16
「講談最前線」 第16回
2026年4月の最前線 【前編】 (講談協会が一般社団法人として始動へ)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/11
「講談最前線」 第17回
2026年4月の最前線 【後編】 (聴講記:津の守講談会/講談『太閤記』小考①)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/12
「噺家渡世の余生な噺」 第12回
教える者が、教えられた日
~生徒を裏切った、最後の授業。教える者の責任と弱さを綴る、苦くも温かなエッセイ
柳家 小志ん
2026/04/14
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
~名古屋の演芸文化を支える多彩な人たちの静かな情熱とリアルな声を追ったコラム
シン・道楽亭
2026/04/10
「お恐れながら申し上げます」 第8回
三櫂屋というお店
~仕込み、接客、失敗、反省、すべてが詰まった、扇太さんのリアルな青春バイト譚
入船亭 扇太
2026/04/15
「令和らくご改造計画」
第八話 「酔っ払いにSNSを」
~芸人のSNSは、なぜ自由すぎるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/03/12
「令和らくご改造計画」
第一話 「危機感をあなたに」
~笑撃のストーリーが今、始まる!
三遊亭 ごはんつぶ
2025/08/12
「浪曲案内 連続読み」 第10回
新釈浪曲忠臣蔵 ~202X年赤穂の旅
~忠臣蔵は難しい? そんな先入観を覆す浪曲コラム
東家 一太郎
2026/03/24
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第11回
〈書評〉 サライ 2026年4月号 (大特集:落語 講談 浪曲 サライの「演芸」 令和の名人)
~人間国宝の鼎談から若手の最前線まで網羅した豪華特集。読むほどに、もっと聴きたくなる!
杉江 松恋
2026/03/19
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第31回
映像思考で編む、新世代講談 田辺一記(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2026/03/28
「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第10回
同郷熊本の小学校の先輩! 三遊亭ふう丈 改メ 二代目円丈師匠真打昇進襲名披露パーティー
服部 拓也
2026/03/22
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第12回
お転婆が過ぎると命を落とすこともある
~転んでも前に進む浪曲師の軽やかで楽しい芸人日記!
東家 千春
2026/04/03
「座布団の片隅から」 第12回
地獄
~春風亭㐂いち兄さん、柳家小はだ兄さん、三遊亭歌彦さんと僕でスキーに行ってきたのだが…
三遊亭 好二郎
2026/04/07
「エッセイ的な何か」 第10回
3月8日は、餃子の日 →無茶苦茶、食う男の偉業
~柳亭痴楽師匠と名古屋『百老亭』の思い出
三笑亭 夢丸
2026/03/23
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
~名古屋の演芸文化を支える多彩な人たちの静かな情熱とリアルな声を追ったコラム
シン・道楽亭
2026/04/10
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01
「令和らくご改造計画」
第四話 「初心者よ永遠なれ」
~AIが落語を演じる時、それでも人は笑えるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/11/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
「令和らくご改造計画」
第五話 「ヨセジャック事件」
~落語家にとってのマクラとは何か?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/12/12
編集部のオススメ
「浪曲案内 連続読み」 第10回
新釈浪曲忠臣蔵 ~202X年赤穂の旅
~忠臣蔵は難しい? そんな先入観を覆す浪曲コラム
東家 一太郎
2026/03/24
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第11回
〈書評〉 サライ 2026年4月号 (大特集:落語 講談 浪曲 サライの「演芸」 令和の名人)
~人間国宝の鼎談から若手の最前線まで網羅した豪華特集。読むほどに、もっと聴きたくなる!
杉江 松恋
2026/03/19
「噺家渡世の余生な噺」 第11回
手紙 ~拝啓、四十八の君へ~
~来てくださった人の顔を忘れるな。 自分のために頭を下げてくださった人の姿を忘れるな
柳家 小志ん
2026/03/14
「令和らくご改造計画」
第八話 「酔っ払いにSNSを」
~芸人のSNSは、なぜ自由すぎるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/03/12
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第27回
古今東西を自在に読む講釈師 松林伯知(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2026/03/12
月刊「シン・道楽亭コラム」 第11回
シン・道楽亭Webサイトリニューアル! ほぼほぼAIで作ってみた話
~どんな思いで運営しているのか、どんな場所として受け入れられたいのかをお伝えしたい
シン・道楽亭
2026/03/10
月刊「浪曲つれづれ」 第11回
2026年3月のつれづれ(玉川太福の受賞、玉川奈々福の徹底天保水滸伝、『深夜食堂』&『陰陽師』の浪曲化)
~スターの活躍と新しい挑戦が交差する、いまの浪曲界をご紹介
杉江 松恋
2026/03/09
「二藍の文箱」 第10回
かたばみ日記 ~初主任の十日間
~高座と人生が交差する、濃密で温かい日々の舞台裏
三遊亭 司
2026/03/02
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25