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情熱に出会い、魂を語る 神田紅(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第46回

師匠から受け取った心

 懐かしいです。『牡丹燈籠』というと師匠のことを思い出します。幽霊はお露さんとお米さん、どちらもやらせてもらいました。師匠と一緒にやっていた時の息づかいなどを覚えているので、もう一回そこへ戻っていくというか。

 師匠が伴蔵の時に、私は女房のお峰の方を喋っている。でも師匠の喋っているのがよみがえってくるんですよね。教わるのは全部教わるんですが、高座ではいつも師匠と相対だったので、それを思い出すんです。

 本当に弟子を育てるということは大変です。常に悩みの中にいます。正解がないだけに、どうしていいかわからないことばかりです。こうした方がいいなあと思うことであっても、その人にとっていいことなのか、いつも悩んでいます。

 来年、紅佳さんが真打になりますけども、真打になったらちょっとホッとできるんだろうなあと思っているところです。そこまでの間、弟子が成長していくまでの間で、私は悩むタイプですね。その分、育てることは育てられることだなあと改めて思っています。

 私には子どもがいませんから、その代わりにではありませんが、そういう悩みを体験させてもらっているんだなあと。少しは人間として成長することに繋がっているのかなあと思っています。

 悩みますよ、悩んでいますよ……(笑)。

 私はなんでも最後は許すタイプで、そこまで情熱を持てるんなら、やってみりゃいいさという人間なんです。だからどんなに理不尽でも、その人の情熱がそこまであるんだったら、応援したくなるんです。

 もしオロオロしていたら、どういう風に持っていけばいいかを考えるんですが、そこにも正解がないので悩みますよね。だから日々、成長させてもらっています。これは本心です。