〈書評〉 世にも奇妙な君物語 (朝井リョウ 著)

「“本”日は晴天なり ~めくるめく日々」 第15回

奇妙な世界と親心

 うちの息子の役は、桃太郎のお供をするキツネだった。キツネ? 桃太郎の仲間にそんな奴いたか?

 聞くと、お供の動物も、動物役の子どもたちがそれぞれ好きな動物を選んだらしい。もうお遊戯ができれば何でもいいのだ。

 私は最後までキツネの持つイメージで、最終的に鬼を倒し、桃太郎側も裏切ってキツネが一人勝ちするという、我が息子だけが目立てばそれでいいというストーリーを勝手に脳内で組み立てて観劇していたが、そんなドンデン返しはなく、園児たちみんなが平等に目立つ程度のお遊戯会は無事終了し、保護者もほぼ均等な満足感を得たのではないかと思う。

 昔から見れば、今は現実の世界が作り話のような、まるで信じられない世界になっているのかもしれない。

 どの短編にも不気味さが漂う奇妙な一冊!

(文中、敬称略)

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  • 書名 : 世にも奇妙な君物語
  • シリーズ名 : 講談社文庫
  • 著者 : 朝井リョウ
  • 出版社 : 講談社
  • 書店発売日 : 2018年11月
  • ISBN :9784065137222
  • 判型・ページ数 : 文庫判・336ページ
  • 定価 : 825円(本体750円+税)

(毎月1日頃、配信予定)

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