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演芸ファンがほしかったスマホアプリを作りました ――「ご贔屓手帖」ができるまで

月刊「シン・道楽亭コラム」 第17回

気になる人ができてから、ご贔屓になるまで

 シン・道楽亭でお客さまと話していると、よく聞く声があります。

 「この師匠、次はどこに出るの?」
 「この前聴いたあの噺、何だったっけ?」

 一方で、演者さんは、まだ演芸になじみのない方に「まずは寄席に来てください」とよく声をかけています。私もそれがいいと思っています。

 いろいろな演者が出る寄席で、「この人、ちょっと気になるな」という方に出会う。そこから次の出番を探して、独演会や二人会へ足を運ぶ。そこでまた別の演者や演目に出会う。

 ただ、この「次の出番を探す」のが意外と大変です!

 そして、演目との出会いも楽しいものですが、はじめのうちは、噺の名前なんて分かりませんし、覚えていられません。

 だから、気になる演者の予定をサッと見られれば、すぐに行ける会を見つけられる。聴いた噺を貼り出しやネタ帳から書き留めていくと、少しずつ覚えていく。

 「あ、これ前にも聴いた」
 「同じ噺なのに、この人だとこんなに違うのか」

 と、通うほどに、少しずつ詳しくなっていく。演芸の幅の広さと奥の深さに徐々に気づいていく。通えば通うほど発見があり、面白さが詰まっていることに気づいたときには、もう沼です(笑)。その途中の道を、ほんの少しだけ歩きやすくするツールを目指しました。

 気になった演者を「ご贔屓」に登録すれば、出番がカレンダーに並び、行った会では演者と演目を記録して、貼り出しの写真を添えられます。

 そうして記録がひとつ、またひとつ増えていくと、今度は数字となって現れます。数字って面白いので、統計機能を入れました。

 「この演者さんをこんなに聴いていた」
 「この噺、よく当たるな」
 「次はこれを聴いてみたい」

 振り返ると、そういうことが見えてきます。

 ハマり始めた方から、ずっと通っていらっしゃる方まで、自分の体験を積み重ねていき、それが「また行ってみよう」につながって、会に足を運ぶ方が一人でも増えたら、こんなにうれしいことはありません。