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情熱に出会い、魂を語る 神田紅(後編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第46回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/08/11
若き日の神田紅(神田紅HPより)
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。〈神田紅(かんだくれない)先生の前編/中編/後編のうちの後編〉
古典に宿す、新たな息吹
―― 泉鏡花(いずみきょうか)は言葉に対して神経質ですし、言葉のリズムも大切にしていますよね。
紅 「眼差し」も「まなざし」ではなく、ルビは「めざし」。「めざしに幾分の凄みを帯び」としますからリズム重視なんでしょう。講談の時には「まなざし」にしましたけど……。自分で作ってきたもの、発表してきたものをもう一度深めたい。
絶対に芝居講談には戻らないぞと思っていたんだけど、あれだけやって来て、芝居講談は自分の宝になっているし、自分の原点でもあるからやっていきたい。
今回の『滝の白糸』の時のように、自分が動けなくなった時に、座ったまんまでどうやろうかと考えてやったら、「なんだ、まだ座ったまんまでもできるじゃないか」って、それがまた違ったエネルギーに変わってきています。そういえば『出光佐三(いでみつさぞう)』もよく頼まれるんですよ。
余談ですが、今年(2026年)の2月28日にイラン情勢の悪化に巻き込まれ、ドバイで一週間足止めされた時、北九州での『出光佐三』を読む仕事を紅佳さんが急遽、務めてくれました。それこそぶっつけ本番でよくやってくれました。
―― あとは私は先生の「義士伝」も好きで、『大高源吾(おおたかげんご)』に関して言えば、今、誰のを聞けば良いかと尋ねられた時には、神田紅と答えています。
紅 ありがとうございます(拍手)。私のは『二度目の清書』もそうですが、速いんですよね。
―― あのテンポが緊張感を生み出すわけで、何度聴いてもあの別れの場面での声を一調子張り上げての読みに、未練を断ち切る様子が見られて泣いてしまいます。
紅 ありがとうございます。そうおっしゃっていただけるのは嬉しいですね。
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