2026年1月の最前線(新春ご挨拶 : 宝井琴調・講談協会会長 & 神田紅・日本講談協会会長 / 今年の顔 : 田辺いちかインタビュー)
「講談最前線」 第14回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/01/15
今年の顔:田辺いちかインタビュー
今や押しも押されぬ講談界の人気者、田辺いちかさんが今秋、真打に。まさに2026年の「講談界の顔」になるべく本人に、昇進に向けて、今、何を思い、どんなことを考えているのかをインタビューしてみた。
―― 今年の秋、いよいよ真打ですね。おめでとうございます。
いちか ありがとうございます。9月の末にパーティを開かせていただき、10月に講談協会の興行があり、年内には記念の会を行う予定です。
―― 真打昇進が決まったと聞いた時に、どんなことを思われましたか。
いちか 師匠(田辺一邑)から電話をいただいたのですが、一緒に前座生活を送ったこなぎお姉さんが昨年昇進されて、私もお手伝いをさせていただいて、次は私なんだという順番がわかっておりました。
ただ、こなぎお姉さんとは入門の間がありましたので、もう少し猶予があるのかなとは思っておりましたが、こんなに早く上げていただけることはありがたい反面、自分はまだ真打に達している自信がありませんでしたので、死にもの狂いで頑張らないといけないなと思いました。
―― 真打になってやってみたいことはありますか。
いちか 真打は一つの区切りでもあり、何かが私の中で変わるということはありませんので、今まで以上に気を引き締めないといけないなという気持ちがあります。そして、いずれまた真打になって3年4年と経った時に、一鶴(田辺一鶴。いちかの大師匠)の遺した言葉に「必ず弟子を取っていきなさい。そして講談を広めていきなさい」というのがあることを先輩から聞いております。先輩方がお弟子さんを取って育てていらっしゃるお姿を見て、カッコいいなあと思いますし、自分も弟子に取って育てていただいたんだから、私にできる恩返しはそれぐらいしかないので、必ずやっていかなければならないなと。もちろん、来てくれるかどうかわかりませんが、そう思っております。

―― 応援していただけるみなさまに決意とご挨拶を。
いちか まず、一番感謝したいのは師匠に対してで、一邑が師匠だから私がこうしてやって来られた、やらしていただいているなと、真打昇進が決まってからは折に触れてその思いと師匠の偉大さを噛みしめております。ずっと師匠を好きでいさせていただき、ありがとうございますとお礼を申し上げたいです。
講談界に目を向ければ、今、本当に恵まれたタイミングで二ツ目に上がることができて、恵まれた二ツ目時代を過ごさせていただきました。それは自分の力というよりは先輩方からありがたい場をたくさん頂戴しているからであると思っています。
ただし、講釈師はまだまだ数が少なく、そしてお客様も増やしていかないといけない。よくパイの奪い合いといったことも言われますが、今はパイを作らないといけません。みんながそれぞれに小麦粉を持ち寄り、卵を持ち寄りと言った感じで、それぞれがまったく違う色の違う持ち味を持ち寄って、お客様を増やしていく時期なのではないかなと先輩方の活動を拝見していると思います。我々が団結できる良い時期なのではないかと思っておりますので、自分もその中の一員として頑張れるように、精進を重ねていきたいと思っております。
いちかさんの真打昇進披露興行の日程や内容は、その詳細が決まり次第、当項でも紹介していきたいと思っています。本年も変わらぬご贔屓をお願いいたします。
(以上、敬称略)
(毎月13日頃、公開予定)
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