2026年6月のつれづれ(東家千春の躍動、三門綾の奮闘、天中軒すみれの研鑽/浪曲陰陽師・第二弾)
月刊「浪曲つれづれ」 第14回
- 浪曲
杉江 松恋
2026/06/09
笠間市には、日本三大稲荷に数えられる笠間稲荷がある。その参道近くにある井筒屋には、かつて地域一の旅館としてさまざまな名士が投宿した。故・坂本九(さいもときゅう)も、柏木由起子(かしわぎゆきこ)の実家が笠間市であったため、ここで披露宴を挙げているのである。現在は旅館営業を辞め、資料館、地域交流館として開放されている。
その井筒屋で綾は定期的に浪曲会を開催している。7月4日には「井筒屋で浪曲を楽しむ 其の肆 三門綾ひとり会」が行われるが、この会初の試みとして港家小ゆき(みなとやこゆき)がゲスト出演するそうだ。

三門綾はどの会場にも車を運転してやってくる。北関東である茨城県で定期的に会が開けるのも、足があるからだろう。そこに曲師の広沢美舟や、師匠・三門柳、ゲストの浪曲師たちを乗せて行く。通いではあるが、まるでいにしえの巡業のようである。
失われた地方興行文化を再び定着させることができるか。それは三門綾の双肩にかかっている。とりあえず北関東を根城にして、どんどん勢力圏を拡げていってもらいたい。
「浪曲陰陽師 迷神・打臥の巫女」が7月に開幕、天中軒すみれが紡ぐ幻想世界
地方の話題ということでもう一つ。また自分の話題で恐縮だが、天中軒すみれ(てんちゅうけんすみれ)・広沢美舟の「夢枕獏・原作 浪曲陰陽師 琵琶玄象」は5月末に再演が行われた。
東京は町屋のムーブホール、京都は左京区のNAMHALLである。特に後者は、初めての地方公演ということもあって未知数だったのだが、蓋を開けてみれば熱気のある会となって一安心した。神社などにチラシも置いてもらっていたため、そこで会のことを知り気になってやってきた、というお客様もいたようだ。
間もなく7月になれば第二弾「迷神・打臥の巫女」の公演も開始する。今回は龍笛奏者・〆野護元(しめのもりゆき)も参加するので、さらに荘厳さが増した舞台になるはずだ。
7月25日(土)・小田原三の丸ホール、8月11日(火/祝)・大阪ZAZA HOUSE、8月23日(日)・東京北とぴあペガサスホールという日程である。大阪が入っていて、二度目の地方公演となる。ぜひ関西にも浪曲陰陽師をお届けしたく、皆様のお運びを願う次第。

(以上、敬称略)

▼東家千春 X
▼三門綾 X
▼天中軒すみれ X
▼杉江松恋 X
(毎月9日頃、配信予定)
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