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情熱に出会い、魂を語る 神田紅(中編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第45回

情熱に取り憑く創作術

 その人の気持ちに入り込み、のめり込むということです。情熱に取り憑くように書いていくことです。

 私が一番ここをやりたい!というところは、自分にしか書けません。ほかの人に書いてもらうこともあったんですが、見ているところが違うんです。いくら指摘しても思うようにはならない、というのがこれまでの経験でわかったことです。それでは書いていただいた方にも失礼になってしまいますから、今は自分で書いています。

 それに一回高座でかけて、それで満足している訳ではないんですよ。「高座百遍」と言われるように、読んでいくと毎回変わっていく。ここはもっと削って、ここを膨らまそうとか、だから読んでいくうちに大分変わっていくんです。

 当然ではないでしょうか。一番自分の言いたいところにクローズアップしながら、聴きやすいように編集していくことは大切です。

 最初は通り一遍、その人の人生を全部語りたいと思ってしまうんですよ。だから40分、50分もかかる大作になるんですけど、お聴きになっているお客様も退屈していることがわかってきますし、自分もここは要らないなと思うところが出てくるので、外していきます。そうすることで、自分の言いたいところをクローズアップできるように変わっていくんです。

 変化の積み重ねがその人のモノになる。でも、私は物を書くのが苦手だから……。

 ぜひ、聴きに来ていただきたい。その前に書かなくては(笑)。