2026年9月の最前線 【前編】 (聴講記:南陵忌)
「講談最前線」 第26回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/09/17
三代目南陵の遺影を抱く、旭堂南華なみはや講談協会長と会員(南陵忌にて)
講談はいつも面白い。そして講談はいつも新しい――。講談の魅力って? 講談ってどこで聴けるの? どんな講釈師がどんな講談を読んでいるの?と、それにお応えするべく、注目したい講釈師や会の情報、そして聴講記……と、講談界の「今」を追い掛けていきます。
大阪でたどる講談の過去と現在
9月の「講談最前線」は、〈前編〉で8月に大阪で行われた「南陵忌」の聴講記を。〈後編〉では、何かと話題の「太閤記」から、フィクションのあり方を求めて訪れた、大阪にある徳川家康の墓。そして、この秋に行われる、おさえておきたい講談会について紹介する。
聴講記:南陵忌(2026年8月17日 大阪市・光照寺)
一龍斎貞鳳が、今となっては貴重な証言書でもある『講談師ただいま24人』(朝日新聞社)を著した昭和43年(1968年)、上方講談界では、三代目旭堂南陵が実父である二代目亡き後、孤軍奮闘していた。文字通りの「孤軍」であり、上方講談界にとっては「孤塁」でもあった。
その後、四代目旭堂南陵、左南陵、南左衛門、南鱗と入門が続き、現在の上方講談界の隆盛へと繋がっていくわけで、今は三派閥+αに分かれている上方講談界についてのあれこれはここでは避けるが、そう考えた時、三代目南陵のことを「現代上方講談界中興の祖」と称するのは、決して大げさではないかと思う。二代目はもちろん、三代目の後進育成がなければ、今の上方講談界はなかったと言っても過言ではないからである。
その三代目南陵の遺志を引き継いで活動を行っているのが、なみはや講談協会(旭堂南華会長)であり、三代目の功績を讃えるべく、毎年行っている「南陵忌」(8月17日)に今回、足を運んだ。ちなみに会場の光照寺では、なみはや講談協会が「四天王寺前夕陽ヶ丘講談会」をはじめとした会を開催している。
光照寺のある四天王寺前夕陽ヶ丘は、作家・織田作之助が作品にも描いた寺の町。当日は昼食をとった新世界から歩いたのだが、その途中には「摂州合邦辻」の舞台である月江寺や、講談で言えば「難波戦記」や「真田三代記」で活躍する真田幸村が戦死したとされる安居神社もあったりと、時間があれば歴史散歩を楽しむのもよいエリアである。
ややこしいのは会場で、南陵忌が開かれるのは、大阪市天王寺区の「光照寺」。三代目の墓所は「光明寺」で、ともに歩いてもそんなに遠くない場所にあるので、余計にややこしい。実は私もご一門の旭堂鱗林さんに指摘されるまで勘違いをしていた(笑)。鱗林さん、ありがとう。

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