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「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第34回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/04/30
旭堂南華 近影(なみはや講談協会HPより)
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。〈旭堂南華(きょくどうなんか)先生の前編/中編①/中編②/後編のうちの前編〉
1枚の招待券が導いた講談との出会い
1968年(昭和43年)に一龍斎貞鳳が世に送り出した著が『講談師ただいま24人』。東京の講談界の存亡に危機感を覚えて出された本だが、一方で戦後の上方講談界には三代目旭堂南陵が君臨していた。君臨していたと記せば聞こえは良いが、古老や長老ばかりか若手もおらず、南陵一人であったというのが現実で、その後、四代目南陵をはじめとした弟子たちがその門を叩いたことで、上方講談界は復興し、今の隆盛に繋がっていった。
そんな中、上方講談界での女性講釈師のパイオニアである旭堂南華が2023年、一般社団法人を冠する「なみはや講談協会」の会長に就任した。
今回、話楽生Webの記事掲載“400回”と、この「女性講釈師インタビュー」が連載開始1年を迎えたことを記念し、大阪へと出向いて、南華の講談との出会いにはじまり、師匠への想い、そして現在の講談界の話とこれからの話をインタビュー。まずは南華の講談との出会い、そして師・三代目旭堂南陵の思い出を語ってもらった。
―― 今回はお時間を頂戴し、ありがとうございます。以前、お会いした時は、お江戸両国亭に「なみはや講談協会」さんがやって来た時でした。
南華 そうでした、来ていただきましたね。全国ツアーをやった時ですね。
―― その前にも池袋演芸場で、なみはやの会がありましたが、また東京にもお越しいただきたいです。早速ですが、先生が講談と出会ったきっかけをお聞かせいただきたいのですが。
南華 この間のパンフ(玉造小劇店による芝居『カラサワギ』。2026年3月の「講談最前線」を参照)にも載せましたが、大学の2回生の時に、地域寄席で「田辺寄席」というのがあって、その当時、入場料が500円。落語の中の一つに入っていた講談を初めて聴いたのがきっかけですね。私はそれまで寄席というのには全く行ったことがなくて、友だちが田辺寄席の会場の近くに住んでいたんですけど、その家の近所のお米屋さんが田辺寄席の世話人会に入っていて、ほんでポスターを家の塀に貼らしてくれって言われて、そのお礼に招待券を2枚もらったから行かへんかと。高校、大学と一緒だった友だちだったんです。
平日の夕方で桃ヶ池の市民活動センターというとこへ行って。ほなね、そこは下座さんがバッチリ入ってるから、賑やかに落語して、そしたら次に時太鼓でドンドンドンて出て来たのが、当時、南光いうた南鱗兄さんだったんです。なんか『難波戦記』かそんなんで、あまり笑いもない、昔風の講談をやってはって、それまで落語の時はお客様の反応があるじゃないですか。それが講談の時はみなシーンとして、真面目に聴いてる感じで、そんなには内容はわかってはいなかったんですけど、それで終わったら静かにお辞儀して去っていく。なんじゃこりゃと思って(笑)。
反応があるんかないんかは南鱗兄さんにはわかっていたとは思うんですが、私は客席にいてて、これはどういうこと? こんなに反応がわかんなくても、普通に静かに出て来て語って、静かに去っていく。それが凄いと思ったんです。落語は反応がなかったら、滑る感じでイヤやろうなと思いながら観てたけど、講談というのは自分の世界を「さあ、どうぞ」みたいな感じで、反応があろうがなかろうが、好きなことを喋って降りていくというような、その時のお客さんと作っていく空気感が面白いと思ったんです。
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