小学校で10年間、落語を読み聞かせしてわかったこと ~子どもたちにウケた噺ベスト3+番外編

月刊「シン・道楽亭コラム」 第14回

小学校で10年間、落語を読み聞かせしてわかったこと ~子どもたちにウケた噺ベスト3+番外編

画:とつかりょうこ

シン・道楽亭

執筆者

シン・道楽亭

執筆者プロフィール

シン・道楽亭、間もなく2周年!

 こんにちは、共同席亭のUです。シン・道楽亭がオープンして、7月23日で丸2年になります。ありがとうございます!!

 共同席亭として運営に携わり、ほぼ毎日、落語を聞く生活になって丸2年。こんなに毎日落語を聞くのは、初めてかもしれません。

 いや、思い返すと、ありました。聞いた高座数は、今よりも少なかったかもしれませんが、暇さえあれば寄席に通い、血走った目で、前のめりで聞いていた時期が。

 それは、子どもが小学校に入学したばかりの頃。週に1度、先生方が職員会議をしている朝の15分間、保護者が教室で子どもたちに「本の読み聞かせをする」という活動がありました。多くの小学校で行われている取り組みだと思います。

 それを聞いた瞬間、私の中に謎の使命感が湧き上がりました。

 「これは、子どもたちに落語を知ってもらう絶好のチャンスだ」

 落語の絵本もたくさん出ている。これはいける!と、私は迷うことなく読み聞かせの保護者に立候補しました。

 ということで、今回は、読み聞かせをしていた当時のことを思い返しつつ、僭越ながら読み聞かせで頼りにしていた(子どもにウケが良かった)噺のベスト3を発表したいと思います!

落語は面白い。それなのに、なぜウケないのか

 まず最初に選んだ噺は、『あたま山』。なぜかといえば、自分が一番好きな噺だから。何度聞いても爆笑する、奇想天外でちょっとシュールな名作。これを小学1年生のクラスで、絵本を見せながら読み聞かせた。

 絶対にウケる、と確信していた。

 ……が、しかし。これが、まったくウケない。

 もちろん子どもたちは真剣に聞いてくれて、ファンタジー作品として「面白いお話だなぁ」と受け止めてくれているのは伝わってきた。でも、笑わない。なぜなのか。こんなに面白いのに。ガックリと来た。

 今となっては当たり前のことだが、当時の私は、噺そのものが面白ければ笑いが起きるものだと、本気で思い込んでいた。

 なぜウケないのか考えながら、当時から通っていた寄席に足を運ぶ。すると当然のことながら、噺家さんが演る落語は全然違う。マクラがあり、くすぐりがあり、間合いがあり、笑いを起こすツボがある。それがないと、噺としては面白くても「ウケ」までは至らない。

 そんな当たり前のことを再確認してから、寄席通いの目線が完全に変わった。

 読み聞かせの持ち時間は15分。これはちょうど、噺家さんの寄席の持ち時間にほぼぴったり。だから寄席に行くたびに、「15分でどうウケを取るのか」を観察するようになった。“勉強”というよりも、“盗み”の心持ちである。