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2026年7月の最前線 【後編】 (聴講記:講談協会定席 / 講談『太閤記』小考④)

「講談最前線」 第23回

講談協会定席(2026年5月28日 お江戸上野広小路亭)

13:38 田辺一乃『英国密航』

 特命を受けた長州ファイブがイギリスに出発する場面で入場。この話の聴きどころでもある道中付けが失敗しないように、“かめはめ波”を送ってくれと客席に。一鶴であれば、釈台に足を置く、と。見たことあり。

13:51 一龍斎貞友『お竹如来』

 女性講釈師で聴くことの多い、今も日本橋に伝わる如来の変化とされた、心温かな女性であるお竹の物語。本題では基本的に声を張り、引き時の際には特有の低い声で、話を描き分ける。しっとりとした話もいいが、江戸の市井での一種のドタバタ騒動をも面白く聴かせてみせる。

14:15 中入り

14:27 神田山緑『万両婿』

 今年入門20周年。新聞社に情報を送ったが記事にしてもらえず、この夏にもう一回開けと言われた……というマクラが面白い。結果、8月14日に中野で開催するとのこと。亡くなったと間違えられた小間物屋の姿を真面目に、そして不条理なことを言われた時には突き抜けた言動をとって、話に起伏を持たせた。

14:58 神田織音「太平記『楠木正成忠義の終焉』」

 いわゆる大楠公と小楠公の別れを描いた「桜井の別れ」から「湊川の戦い」までの場面を再構成。権力争いや紛争の中で命を落とす者がいること。戦いに参加しない人が犠牲を強いることがあること。そもそも『太平記』というが、どこが「太平」なんだという疑問など、読み手としての解釈が物語を今世と結びつけ、読み手が描き出す世界へと聴き手を容易に連れていく一席に。

 軍談といっても修羅場調子でなく、登場人物に情を通わせ、その情を丁寧に読み進める。だからこそ、そこに武士の覚悟がまた表われてくる。今席の織音版『太平記』は、九州に逃れていた足利軍が京都へ戻ってくる中、それを後醍醐天皇と新田義貞(にったよしさだ)がどう迎え撃つかというところで終演。続きも聴きたいところ。

15:34 終演