霊んメイカー

「マクラになるかも知れない話」 第十二回

不思議のはじまり

 ではなぜ「幽霊全く信じてない派」だった私が、今は「なんかあるだろう派」になったのか。

 そもそも「幽霊全く信じてない派」になったのは、小学校5年生のときに泊まった修学旅行先のホテルでのことです。田舎の学校のことですので、5年生は全員で17人。引率の先生たちを合わせて22~23人というところでしょうか。

 小さなホテルだったので、4階を借り切りにしていました。なので、夜間になるとエレベーターは4階には停まらなくなり、階段の扉も閉鎖されました。部外者は全く入ってこられない状態。なので、先生がこんなことを言い出しました。

 「エアコンをかけたまま寝ると体調を崩す者が出て明日の行程に障るので、エアコンはつけずに全ての窓、ドアを全開にして寝ます」

 今思うと、驚きの采配だ。確か7月のことである。一応、言っておくが2000年(平成12年)のことである。昭和ではない。まあ当時の気温で特に寝苦しかった思い出もないので、いけると判断したのだろう。

 んで、ガヤガヤ騒いで先生に怒られて就寝というお決まりのコースをたどって、その深夜。うとうとしていたら

 「おぎゃーーーーーーーーーーーーーー!!」

 と4階全体に響き渡るような赤ん坊の泣き声がした。

 反射的に僕は飛び起き、辺りを見回したが特に何もない。同室の子どもたちの中に他にも起きた人がいたので

 「今……赤ちゃんの声したよね」
 「うん」

 前述の通り、部屋のドアが全開である。開け放したドアの向こう、廊下の方からひたひたと何が近づいてくるような気がする。

 「見てみようか……」
 「うん」

 よくそんな勇気があったなと今は思うが、友人とそのまま廊下に出て何もいないことを確認して普通に寝た。