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揺れ動いた、30代最後・熊本での夏

「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第15回

帰省を変えた地震

 そんな楽しみな8月初旬の帰省予定の直前に、熊本地震が発生した。

 私は、東京でテレビに釘付けになった。知っている場所での被害、行ったことのあるショッピングセンターでの事故。被害が少しでも少なくなるように!と願いつつ、家族や知り合いに連絡を取り、安否を確認をした。

 親から連絡があり、無事を確認後、地震発生直後の状況を聞いた。めまいがするほどの、30秒以上にわたる長い揺れで体が動かず、無人の車が振動で動くほどの揺れだったそうだ。仕事のために家を出てからも、SNSでずっと状況をうかがっていた。それから連日、つらいニュースを見て、10年前の地震の嫌な記憶が思い出された。

 思い描いた帰省ではなくなった。状況を現地の方に確認しつつ、熊本へ向かった。東京よりも暑かった。微力ながら、何かできることを調べて、ボランティアで炊き出しを行っている方や、被災地や被害を受けた知り合いのもとに物資を届けに行った。友人の運転で、道中、ひび割れた道路や、傾いた家屋、見たことのない曲がった電柱など、想像を超える現実に言葉をなくした。

 しかし、そんなマインドを凌駕するマンパワーを浴びた。

 ボランティアの方や、現地の方に挨拶をすると、もれなく「ご実家は大丈夫でしたか?」と、こちらまで心配していただいた。お店をやっている知り合いからは、2~3日は片付け作業をし、電気が使えないため、車中泊と水浴びで凌いだという話を聞いた。揺れたとき、「テレビとプレステ5」のどちらを守るかという話をアクション映画を観ているような臨場感で明るく伝えてくれた。そこから懐かしい話など、談笑して、別れた。

 大変な中でも、本当に強く明るく優しい人たちに、地元・熊本を誇りに思った。