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海水浴は、だいたい思い通りにいかない

「かけはしのしゅんのはなし」 第15回

 一軒家は、年季の入った外観ですが、お庭はきれいに整えられており、よく手入れされているのが分かります。

 鍵を開けて玄関を入ると、外観からは想像もつかないほど、ドラマのセットのような見事な内装! 天井は吹き抜けでシーリングファンが回り、全面フローリングの3LDK。子どもたちは大興奮で「キャッキャ」と家の中を走り回ります。

 はしゃぐ姿に目を細めながらリビングへ向かうと、立派なオープンキッチンがありました。壁の突っ張り棒には調理器具がたくさん吊るされていて、使い勝手が良さそうです。「気遣いが行き届いているなぁ」と感心しながら目をやると――フライパン、おたま、フライ返し、コウモリ。

 ……コウモリっ!?

 本物!!? なんでいるの!!! 先客!? サプライズサービス?

 こんな近くで見たことない! というか、子どもたちを避難させなきゃ!!

 大騒ぎの末になんとか捕まえると、やはり本物のコウモリでした。子どもたちもすっかり怯えてしまい、テンションはダダ下がり。これは良くない、気分転換に買い物へ出かけよう!

 一軒家の近くにコンビニはありませんが、昔ながらの雑貨屋があるとのこと。飲み物を買おうと散歩がてら出かけました。歩くこと数分、お店の前に着いて驚きました。まるで映画のセットのような、昭和の駄菓子屋です。

 薄暗い店内には、お菓子や飲み物だけでなく、日用品やバケツまで並んでいます。壁に貼られた化粧品のポスターは、夏目雅子さん。タイムスリップしたかのような感覚です。

 店を切り盛りしているおばあさんは、おみ足が悪いそうで、レジの前にちょこんと座っていました。店内をぐるりと回ってお菓子とジュースを見つけ、レジへ向かいます。会計をしながら話を聞くと、お店は大正時代から続いていて、おばあさんは三代目なのだそう。

 ニコニコしながら、ゆったりとした口調で教えてくれました。