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海水浴は、だいたい思い通りにいかない

「かけはしのしゅんのはなし」 第15回

 買い物を手に、一軒家へと戻ります。

 喉が渇いていたので、買ってきたペットボトルのフタを開け、口をつけました。……その瞬間、強烈な臭いが口いっぱいに広がりました。

 「なんだこれは!?」

 慌てて吐き出します。見た目には変わった様子はありませんが、中身が明らかにおかしい。子どもたちにも「絶対に飲んじゃダメ!」と伝えます。

 動揺しながらも考えます。誰かが飲み物に何かを混入したんじゃないか……? お店の冷蔵庫は、おばあさんが座っている場所からの死角にありました。不良グループか誰かが、悪質ないたずらをしたのかもしれない。このままだと他の人が危険だ。お店に行って確かめよう!

 再びお店に行くと、おばあさんが「また来たの?」と笑顔で迎えてくれました。私は高鳴る鼓動を抑え、できるだけ冷静に話しかけます。

 「おばあちゃん、さっき買った飲み物なんだけど、変な味がしたんです。誰かがいたずらしているかもしれないから、冷蔵庫の飲み物を見てもいいですか?」
 「えっ!? ……そうかい? 見てもらえるかしら」

 おばあさんは、目を丸くして言いました。

 冷蔵庫を開け、先ほど買ったジュースのペットボトルを手に取ります。フタに穴でも開けられているのかとよく観察してみると、フタの下の印字が目に飛び込んできました。

 『賞味期限 2015年7月』

 ……犯人は、おばあちゃんだ! 誰も買わないから、10年以上そのまま放置されていたのだ。

 なんだか一気に伝えるのが難しくなりました。気まずさを感じつつも、「賞味期限が切れているので撤去したほうがいいですよ」とお伝えし、購入した分は返金してもらいました。

 結局、ジュースも飲めず、子どもたちのテンションはさらに下がってしまいました。おまけに一軒家から海も遠かった……。子どもたちは、来年も一緒に旅行に行ってくれるでしょうか。

 いつか、ドカンとリゾートホテルに泊めてあげたいものです。でも、そんなお金が……。

 全国の皆様、落語会ができるリゾートホテルがあったら、ぜひ教えてください。

春風亭かけ橋 X

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(毎月18日頃、配信予定)

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