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揺れ動いた、30代最後・熊本での夏

「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第15回

揺れ動いた、30代最後・熊本での夏

熊本の同じ小学校を卒業した、二代目 三遊亭円丈師匠と筆者

服部 拓也

執筆者

服部 拓也

執筆者プロフィール

節目を飾る夏

 2026年8月28日で、40歳になる。

 年々、自分の年齢がいくつか忘れるくらい、月日が経つのが速く感じるようになった。

 テレビを観て育ち、お笑いの世界に憧れ、高校を卒業し、お笑いの世界に入り、私は芸歴を重ねた。テレビで活躍して「売れっ子」と言われるような、思い描いていた20代でも30代でもなかった。しかし、それでも辞めていない。辞めていない理由は、シンプルにやりたいし、楽しいからだ。年季を重ねるごとに、芸人活動を変化させつつ、楽しく生きている。

 今年は30代最後の夏なので、メモリアルな夏にしたく、去年から決めていたことがあった。毎年、8月15日・16日に開催される、私が生まれ育った熊本県山鹿市(やまがし)の伝統的な祭り、「山鹿灯籠まつり」に行くことだった。

 山鹿灯籠まつりは、伝統工芸品でもある紙でできた金灯籠(かなどうろう)を頭に着け、山鹿の民謡・よへほ節に合わせて、浴衣姿の女性1000人が円形に踊る「千人灯籠踊り」や花火大会、子供はもちろん、大人でもテンションが上がる屋台がたくさん出る、街ぐるみの盛大なお祭り。

山鹿灯籠まつり「千人灯籠踊り」(山鹿探訪なび)

 小学生の頃、夏休みの楽しみは、部活、プール、お祭り、誕生日だった。8月10日を過ぎたあたりから、祭りの準備で、通学路でもある街並みが“お祭り仕様”にカスタマイズされていく。朝から部活の練習、プール、公園で遊び、家で友だちとゲームをし、とんでもなく焼けた素肌も含めて、私のエネルギッシュな夏休みの日々だった。

 10歳前後の私は毎年、友だちや同じ年頃の親戚と、お年玉の残金を握りしめて、お祭りに繰り出していた。街ゆく浴衣姿の年上のお姉さんに見惚れ、屋台の店番のヤンチャなお姉さんに心を奪われる。

 ドデカい鉄板で焼かれた、おそらく原価が40円ほどの子供の手のひらサイズの「300円ハンバーグ」を頬張り、かき氷とともに貪り食う。