映像思考で編む、新世代講談 田辺一記(前編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第31回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/03/28
多様な表現が交差する中で見つけた道
―― 実際に講釈師になってみていかがですか。
一記 色川武大(いろかわたけひろ)が好きで、中でも芸人の世界、それも昔の芸人の世界に興味がありまして、そこに書かれているのは昔のことなんだろうと思っていたら、今も全く同じではありませんが、その世界があって、その末端に入らせていただいているのは不思議な感じです。
―― 私も色川武大が好きで、芸人愛があふれる『なつかしい芸人たち』といった芸人伝の他にも、『怪しい来客簿』『虫けら太平記』『狂人日記』などの代表作を沢山読みました。魅力あふれる作家の一人です。
一記 大学の卒業制作で、色川武大の幻覚を描いた作品(主に『百』『生家へ』)を題材に、鉛筆で手描きのアニメを作りました。子どもの頃に小説を書いていたこともあります。高校の時は文芸部で書いていました。
―― そのアニメも小説も見てみたい! そう言えば、先ほどの話にも出てきましたが、美術系の大学を卒業されていますよね。どんなことを学んでいたんですか。
一記 映像演劇学科で、最初は文字通り一通り学ぶんですが、それが終わると放流される学科だったんです。舞台をやる人、映画をやる人、マンガを描いたり、パフォーマンスをやる人も多かったですね。やりたいことをやりなさいと言われていたので、私は映画が好きだったのでそちらに進みました。実験映画の先生方や個人映画の作家が多くて、そういうのに触れているうちに影響を多分に受けました。
次回の〈中編〉では、山小屋滞在から生まれた『黒部の山賊』の創作秘話に迫る。映画監督志望から講釈師へと転じた田辺一記が、映像を言葉に変える独自の語りをどう築いたのか。語りの裏にある映像思考とドキュメンタリー的視点によって、実体験が物語へ昇華される過程をインタビューで探っていく。

(以上、敬称略)
▼田辺一記(講談協会 公式ホームページ)
▼田辺一記 X
●近々の予定

一記試聴室
~田辺一記講談会 sample2~
- 日程:
- 2026年4月30日(木)
- 開場 18:30 開演 19:00
- 会場:
- 神保町視聴室
- (千代田区西神田3-8-5 ビル西神田1階)
- →Googleマップ
- 出演:
- 田辺一記
ゲスト/上野茂都(唄) - 料金:
- 予約/当日 2,000円+1ドリンク(500円)
- ご予約・お問い合わせ:
- メール
- → Kazuki.tnb@gmail.com
- ※公演名、人数、フルネーム、電話番号をお知らせください。
(中編に続く)
こちらもどうぞ
―― 瀧口雅仁『釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編』連載一覧
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