〈掲載記事400本記念〉 上方講談の伝統を未来へ繋ぐ、継承者にして開拓者 旭堂南華(中編②)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第36回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/05/02
芝居との出会いが広げた講談の可能性
ここで、2026年3月の「講談最前線」でも取り上げた、南華も出演した、リリパットアーミーIIが、その前史から数えて、創立40周年の特別企画として臨んだ「わ芝居 ~その亖(よん)本格的小型時代劇 『カラサワギ』」(脚本、演出・わかぎゑふ。2017年初演)の話に及んだ。その内容などに関しては、2026年3月の「講談最前線」をご参照いただきたい。
南華 この間の「本格的小型時代劇『カラサワギ』」は、今としては本格的時代劇の形をしてたとは思うんですよ。あの中で、かなめさんて女役(福吉祥太)が、挨拶の時にみたらし団子を持ってきてもらうというシーンがあって、「ああ、ありがとうございます」言うて、みたらし団子の箱を斜めにして持つんですよ。「いやいやいや、みたらし団子をそんな風に持ったら、タレが全部出てくる」って、時代劇云々よりも、みたらし団子を知らない世代なんですね。
どない言うても斜めに持つんで、「お菓子持ったり、弁当持ったりする時に、斜めに持つ?」言うて、次の日にみたらし団子を10本くらい買っていったんです。みんな差し入れやと思いますから「ありがとうございます」言うけど、一回持ってみてって、箱の上ぶたを取って持たせたら、「ああ、動かせませんね。重たいですね」「団子やからな、重たいねん」。ほんで休憩の時に食べたんですが、そしたら主役が「『団子なんて50本味見しましたよ』というセリフがあるんですが、これ、50本も食べられませんね」って(笑)。それから祥太(かなめ役)さんは重たそうに真っ直ぐ持つという風になりました。
―― ジェネレーションギャップですね。
南華 時代劇どころちゃうなって、話してました。そういった意味でも楽しかったです。

―― 芝居そのものはいかがでしたか。
南華 最近は気ィ張ってる時だけ元気ですけど、落ち込んだらなかなか上書きすんの大変なんです。どこでリカバリーするかを考えたら寝られへんし。そう思ったら、芝居の時、あんまりにもしんどくて、よく寝られたんですよ(笑)。芝居がめちゃくちゃ体力いるっていうのがわかって、みんな食べるし、ストレッチしたりするし、まったく芸人と真反対な健康的な人たちやったんで、お酒もすっごい飲むし、そこにいてやっぱり気遣うから、しんどいのはしんどいんですけど、なんか全然違う世界にいてたから、寝れましたね(笑)。
でも、お芝居が全くの初めてで、みなさまにお世話にしてもらって、迷惑もいっぱいかけたと思いますが、めちゃくちゃ楽しくて、声掛けてくれはったふっこさん、役者のみなさまには感謝感謝です。ふっこさんね、わかぎゑふさんは鈴木芙紀子っていうんで、ふっこさんって呼んでるんですけど、「もっと講談を南華ちゃんが広めなアカンから」言うて、自分がやってるワークショップとかで、ゲストティーチャーで呼んでくれて、修羅場読みを教えたりとか、そうしたらまた新しいお客さんが来てくれたりするんで、色々やったりもしました。
―― 今は自分史を書いたり、それを発表したりする講座も流行っていますし、今の70代、80代はお元気で、しかも昭和の激動期を過ごしてきた人も多いので、そういう人たちの話を聞くのは面白いですよね。
南華 景気のいい時代や忙しい時代を生きてきた人と、今の若い人だったら全然違いますね。
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