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6月21日は、えびフライの日

「かけはしのしゅんのはなし」 第13回

6月21日は、えびフライの日

これだ! 私が求めていたものは!(画:信吉)

春風亭 かけ橋

執筆者

春風亭 かけ橋

執筆者プロフィール

 6月21日は、「えびフライの日」です。

 曲がったえびの形が「6」に見えることと、「フ(2)ライ(1)」と読む語呂合わせから。多くの人が大好きな「えびフライ」の記念日をきっかけにして、美味しいえびフライをもっと食べてもらうことが目的だそうです。

 物心がついた時から、えびフライが大好きです。誕生日には、母が大皿いっぱいのえびフライを作ってくれました。大ぶりのえびフライに、自家製タルタルソースをたっぷりつけてかじりつくと、サクッとした衣にブリッと歯応えがある海老の食感があまりにも完璧でした。母のえびフライが一番好きな食べ物だと思います。

 だからこそ、えびフライに求めるレベルは高いです。定食屋に入って、えびフライ定食を頼むのは、ハードルが高いと思う。まずは価格。採算度外視の母の“お祝いえびフライ”と比較をしてはいけないが、海老が2本でこの値段かと思ってしまう。

 それでも食べたい時がある。メニュー表を見ながら、ひとりで自問自答する。

 「この値段なら、ロースかつ定食の方が満足するんじゃないか」
 「大きな海老を使っているからこその値段じゃないか」

 「どうして、メニューに写真が載っていないのか」
 「やっぱりロースかつ定食だったら、間違いないか」

 「だけど、えびフライを食べたくてこの店に入ったんだよな」
 「やりたいことがあって入ったのに、妥協していいのか」

 「本当にしたいことは、何なのか」
 「えびフライを頼まないことは、やりたいことに踏み出せないということ。それはまるで、落語界に入った時の情熱を忘れて、惰性で過ごす人生と同じではないか」

 己の人生への危機感を覚えて注文した、えびフライ定食。届いたら、不安通り海老が小さかったり、大きいけれども衣が厚そうだったり、一口噛んでみたらやっぱり衣が厚かったり。