二階から
「コソメキネマ」 第十六回
- 浪曲
港家 小そめ
2026/08/23
私も少し関わったこともがあり、大衆演劇と浪曲の組み合わせ!観たい!と思い、武春師匠にお願いして観させていただくことになりました。
第1部は国本武春師匠と曲師・沢村豊子師匠による浪曲の形での「紺屋高尾」、第2部は武春師匠による弾き語りに合わせて、役者さんたちが演じるという節劇のようなものでした。1日限りではもったいないような内容。
特に私が凄いなと思ったのは、浪曲に合わせて大五郎座長が踊った「紺屋高尾」。全編セリフなし、舞踊劇とでもいうのでしょうか、浪曲の場面に合わせて、大五郎座長が高尾花魁を所作と踊りで演じるというもの。これが素晴らしかった。高尾太夫の可憐で美しいこと!
豊子師匠にお聞きした話によると、最初は浪曲だけでということだったようですが、豊子師匠がお客さんはあなたを観に来ているんだから、あなたが出ないと納得しないでしょ、ということで、出ることになったそう。即興であの美しい高尾を! 大衆演劇の役者さんの力は凄いなと改めて思いました。
沢村豊子師匠も大衆演劇がお好きで、時々ご一緒させていただきました。共演したこともあってか、橘大五郎座長が二階に出演すると、よくご覧になっていました。「鶴八鶴次郎」というお芝居で、大五郎座長演じる鶴次郎が相方だった三味線弾きの鶴八の本名「お豊ちゃーん!」と客席へ叫ぶシーンがあり、客席の豊子師匠が大いに照れていたのを思い出します。
さて今月の映画は『鶴八鶴次郎』を出したいところではありますが、すでにご紹介済みですので、同じく成瀬巳喜男監督で『旅役者』という作品を。1940年(昭和15年)の作品です。
藤原釜足(クレジットは藤原鶏太)の主演作。旅回りで、馬の脚専門の役者。アーノネのオッサンで一世を風靡した(といってもわからないかと思いますが……)高勢実乗(たかせみのる)も出演。
芸道物もたくさん撮っている成瀬監督ですが、これは少し毛色が違う気がします。喜劇風味と哀愁が漂う、でもラストシーンは不思議な爽快感がある映画。原作は宇井無愁の『きつね馬』。ペンネームの由来は、ウイ・ムッシューだとか。

▼浅草『木馬亭』公式サイト
▼浅草 木馬館 (篠原演劇企画)
▼たつみ演劇BOX オフィシャルウェブサイト
▼橘菊太郎劇団(大衆演劇公式サイト)
(文中、敬称略)

▼港家小そめ X
■今回の映画
旅役者
監督:成瀬巳喜男
脚本:成瀬巳喜男
原作:宇井無愁
出演:藤原鶏太(藤原釜足)、柳谷寛、高勢実乗、御橋公 ほか
公開:1940年(昭和15年) / 上映時間:70分 / 日本
▼旅役者(1940)作品情報・映画レビュー(KINENOTE)
https://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=68035
9月のおすすめ公演はこちら。ご来場お待ちしております!

浪曲広小路亭 『浪曲九月場所』
- 日程:
- 2026年9月27日(日)
- 開場 12:30 開演 13:00
- 会場
- お江戸上野広小路亭
- (台東区上野1-20-10 上野広小路永谷ビル)
- → Googleマップ
- 出演:
- 港家小そめ+沢村博喜
- 天中軒すみれ+沢村理緒
- 天中軒かおり+沢村博喜
- 料金:
- 予約 2,500円
- 当日 3,000円
- ご予約:
- 予約フォーム
- → チケットご予約(日本浪曲協会)
(毎月23日頃、配信予定)
前回はこちら
こちらもどうぞ(成瀬巳喜男監督『鶴八鶴次郎』をご紹介」)
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