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「継続は力なり」ではない

「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第13回

鬼になった石井

ラジオ体操を終え、いつものようにハンコの行列に並ぶ。

僕のスタンプカードを手に取った係の女の人が

「え? (石井)……」

そりゃそうだ、鬼のスタンプが並んでる中に(石井)なのだ。

また(石井)のせいでバカにされるのか……。

「(石井)……」

なんやねん!! なんでそこに引っ掛かるねん!!

「(石井)……? もしかして昨日きたけどハンコ押せなかったのかな? 別の人に押してもらった?」
「は、はい……」

そう言うとその係の女の人が

「じゃあ、昨日のスタンプも上から押しておこうか?」

と言って、今日の分のほかに、昨日の(石井)の上に青い鬼のスタンプを押してくれたのだ!!

なんて優しい大人の対応なのだ!!

心からお礼を言い、ハンコを押されたスタンプカードを覗くと

鬼のスタンプからうっすら(石井)が浮き出ているではないか!!

恐るべき(石井)の存在感!!

まるで、その鬼の名前が(石井)であるかのような存在感!! 

それでも、(石井)そのものよりマシである。

なんとかそう自分に言い聞かせて帰る時に、昨日の小さな公園の前を通ったその時、僕を呼ぶ声が聞こえた。

「お~い、昨日の僕ちゃーん!! 今日も一緒にラジオ体操やろ~!!」

なんと昨日の(石井)が呼びかけてきたのだ!!!!!

昨日参加したことで、いつの間にか「老人ラジオ体操友の会」に入会させられていたのか!?

「お~い、今日もハンコあるよ~!!」

右手に持ったハンコをかざしながら僕に呼びかけてくる(石井)は

どこから見ても優しい子供好きなおじいちゃんなのだが

僕には、鬼に見えた。

ここでラジオ体操に行ったら、また(石井)にされるかもしれない。

「お~い!! 始まるよ~!! 待ってたよ~!!」

鬼が、鬼が待っている!!

ハンコを持って待っている!!

(石井)が僕を待っている!!

「きょ、今日はあかんねーん!!!」

苦し紛れの嘘をついて、逃げるように家に帰った。

待ち遠しい夏休み

それからというもの、ラジオ体操から帰る時に

小さな公園の前を通ると、(石井)が

「僕ちゃーん!! ラジオ体操やろー!!」

と毎回声をかけてくるようになったのだ!!!

何度断っても

「僕ちゃーん!! 待ってたよ~!!」

恐るべき(石井)の執念!!

なんでそんなに僕とラジオ体操をしたいのか、意味がわからない。

今となって考えてみると

少しでも子供と触れ合っていると嬉しいというお年寄りの気持ちはわかるし

毎朝一緒にラジオ体操をしてたら、間違いなく可愛がってもらえていただろうけど

僕がそんな素直な可愛げのある子供であるわけがなく

(石井)に誘われるのが怖くなり、ラジオ体操に行くのはやめてしまった。

昔から何かを継続することが何より苦手だ。

「継続は力なり」

という言葉があるが、「力」があるものだけが「継続」できるのであって

継続することが力になるわけではないと僕は考える。

「将来のビジョンを持って、人生の計画を立てよう」
「10年先の自分をイメージして、その自分になるように生き方を見直そう」

よく自己啓発系の本に書いてあるけど

将来のビジョンを持ってる人間は芸人になんかならないし

10年先どころか3ヵ月先のこともイメージできない。

おそらく、来年の夏休みも完璧でストイックな計画を立てるだろう。

そして、確実に計画倒れで終わることは、間違いない。

10年先のイメージも人生計画も不透明だけど

来年の夏休みも計画倒れになることだけは、明確にイメージできる。

そういう自分にならないように、生き方を見直すつもりもない。

「宿題をやったんですけど、持ってくるのを忘れました」

ではなく

「宿題はやりませんでしたし、持ってもきませんでした」

という最悪な開き直りだ。

逆に、「何もしない」という綿密なスケジュールを立てれば

稽古をしたり、本を読んだりして、計画倒れにできるのかな?

何もしなかったら、初めて計画を完璧に実行できたことになる。

よし、来年の夏休みは「何にもしない」という計画を立てよう!!

来年の夏休みが楽しみだ。

(文中、敬称略)

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  • 日程:
  •  2026年11月8日(日)
  •  開場 9:30 開演 10:00
  • 会場
  •  神戸新開地・喜楽館
  •  (神戸市兵庫区新開地2-4-13)
  •  → Googleマップ
  • 出演:
  •  桂 三四郎
  •  桂 笑金(開口一番)
  • 料金:
  •  前売 2,500円 当日 3,000円
  •  学生 1500円
  •  (全席自由席)
  •  
  • ご予約:
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