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2026年10月の最前線 【後編】 (佐渡で講談を想う / 連続物の面白さを味わう)

「講談最前線」 第30回

●一夜限りの俥読み、二人の熱き想い

 そして今回、銀冶と琴凌の主役二人から、今回の聴きどころと楽しみどころについてコメントをもらった。


 芝居とも違う講談の『新吉原百人斬』は連続講談の醍醐味ともいえる人間を深く描いた傑作です。本が面白いんですから、面白くないわけがない。これが面白くなかったら読み手の責任。私も琴凌さんも琴梅先生からつけていただいたのですが、本は同じでもそれぞれの個性が出てしまうんですね。今回の俥読みで聴き比べていただくのも楽しいと思います。

 前編の主人公の次郎吉は痛快な悪人でヒール贔屓の私には大好物でした。後編の主人公の次郎左衛門は何も悪い事をしていないのに親の因果と籠釣瓶の因縁もあり、ただただ哀れな仕打ちをうけて最後は殺人を犯してしまう哀しい男の話です。次郎左衛門の悔しさ無念さは現代に生きる我々にも通じる思い。私も生涯をかけて読み続け、いつか『銀冶の新吉原百人斬を聴きにわざわざ秋田から来たんだよ。高知から来たんだよ』なんて言って下さるお客様が増えるように精進致します。

 まずは、新宿での琴凌さんとの俥読みに沢山のお客様にいらしていただけますようよろしくお願いいたします。


 田辺銀冶


 「連続読み」というのは通常、何回かに分けてやりますが、俥読みは一度に連続で数席分聴いていただけるので話の筋が理解しやすいのが魅力だと思います。『新吉原百人斬』は5月に「次郎吉編」を、11月に「次郎左衛門編」と、丁度区切りよく4席ずつ読み分けることができ、俥読みには最適でした。しかも銀冶先生も琴梅からつけていただいたので、齟齬を生じず話を繋いでいけるのも強みです。

 今回の次郎左衛門のお話は八ツ橋花魁との出会いから愛想尽かしというお馴染みの場面、そして妖刀籠釣瓶で人を斬りまくるという、抜き読みではまず演じられない珍しい場面までお聴きいただけますので是非ともお聴き逃しのないようお願い申し上げます。

 もう今後こんな俥読みは聴けないと思います、たぶん。


 宝井琴凌

 今回二人が読むのは、次の通り。


田辺銀冶 「八ツ橋を見初める」
宝井琴凌 「八ツ橋愛想尽かし」
田辺銀冶 「八ツ橋楼普請」
宝井琴凌 「次郎左衛門の最期」

 その副題を見ただけでも、大いに期待できる。5月の前編を聴いていなくても、もちろん問題なし。あらすじは最初に紹介される(はずだ)し、後半は次郎兵衛の息子・次郎左衛門が主役となり、因果因縁をめぐる新たな物語がまた始まる。そして、いよいよ妖刀とされた籠釣瓶をめぐっての物語と、今回も目が離せない。

 ぜひ11月19日、18時開演の新宿永谷ホールへ駆け付けてほしい(公演の詳細は、講談協会「新宿講談会 夜席」まで)。

(文中、敬称略)

▼瀧口雅仁 X

新宿講談会 夜席

田辺銀冶・宝井琴凌俥読み
新吉原百人斬

  • 日程:
  •  2026年11月19日(木)
  •  開演 18:00
  • 会場
  •  新宿永谷ホール(新宿Fu-)
  •  (新宿区歌舞伎町2-45-5 新宿永谷ビル 1階)
  •  → Googleマップ
  • 出演:
  •  田辺銀冶
     宝井琴凌
  • 料金:
  •  予約 2,800円 当日 3,000円
  •  ご贔屓連割引 2,000円
  •  
  • ご予約:
  •  予約フォーム
  •  → 講談協会 チケット予約

(毎月13日頃、配信予定)

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