〈書評〉 サライ 2026年4月号 (大特集:落語 講談 浪曲 サライの「演芸」 令和の名人)
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第11回
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杉江 松恋
2026/03/19
103歳・玉川祐子インタビューの読み応え
浪曲は、玉川奈々福・玉川太福の姉弟である。一之輔・伯山・奈々福の3人で表紙を飾っている。「ここは太福さんでしょう」と奈々福がSNSに書いているのを見たが、本誌ができた時点ではまだ芸術選奨文部科学大臣新人賞は決定していないのだから仕方ない。
〈サライ・インタビュー〉として、103歳の現役曲師・玉川祐子も登場しているので、やや玉川に寄りすぎかな、という気もする。この特集の人選は編集部が決めている。私だったら、ここに関西から真山隼人か、国本はる乃を入れていたと思う。
玉川祐子のインタビューがいろいろなところに掲載されている。今回のそれは家族のことについても触れているので、読み応えがあると思う。2024(令和6)年に出身地である茨城県笠間市の「かさま応援大使」に就任したときの記念公演のことも、その日の晩に転んで腰の骨を折ったことまで書かれている。
その公演は、著書の『100歳で現役! 女性曲師の波瀾万丈人生』(光文社刊、玉川祐子・著、杉江松恋・聞き手)を物販するために私も会場にいた。いつになく玉川祐子は緊張していたように見えて、公演の後は楽屋で横になられていたので、ちょっと心配していたのである。なので入院したと聞かされて、別の事態を想像してしまった。転んでの怪我と聞いて、心配すると同時に安堵の気持ちもあって、複雑な心境になった。近影も掲載されているので、ファンの方はご覧いただきたい。
こんな感じの特集である。あ、そうだ。書き忘れていたが、巻頭に掲載されているのは、六代目五街道雲助、三代目神田松鯉、二代目京山幸枝若の「人間国宝揃い踏み」鼎談だ。これは本当に読んでのお楽しみ。二度と実現しない可能性もある豪華な顔ぶれの鼎談なので、保存用に本を購入しておくことをお勧めする。
よい特集でした。人形町らくだ亭、またやらないかな。ここに登場している芸人をレギュラーメンバーでやってくれたら、演芸界の話題になると思うのだけど。
(以上、敬称略)
(毎月19日頃、配信予定)
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