〈掲載記事400本記念〉 上方講談の伝統を未来へ繋ぐ、継承者にして開拓者 旭堂南華(中編①)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第35回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/05/01
大阪に女性講釈師がいなかった時代
―― みなさん、修業は通いですか?
南華 通いですね。師匠は一軒家で一人で住んではったんで、南海が入った時に「師匠、南海、下宿してるし、部屋あるからここに住んだらどうですか」みたいにチラッと言うたけど、それはひどい拒否られました(笑)。
―― 色々と伝説に残る家と聞いています。
南華 もうめっちゃ古い家でしたね。台風でトイレの土壁壊れたりとか、私と南鱗兄さんと長瀬の商店街で大きいベニアみたいなのを買って来て、それを貼り付けたり、襖(ふすま)貼ったり、色々としました(笑)。

―― もう、その家はないんですよね。
南華 ないです。枚岡のマンションに移って、その後、すぐに壊されました。行けば、基本飲むんで、そうなると長いんですよ(笑)。師匠は奥さんがお亡くなりになった後は、一人住まいで部屋も散らかり気味で、お金なんかもその辺に散乱している有様で、「師匠、こんなところにお金がありますよ」言うと、「お金いうのは、帰って来て、渡して喜んでくれる人がいてへんかったら、なんにも面白いこともない」みたいに言うてはって、「それでもお金は要りますよ」って集めたりと、そんなでしたね。それでも可愛がってもらいましたね。女の弟子やったんで。
―― その頃、女性の講釈師はいなかった訳じゃないですか。
南華 大阪はいなかったですね。
―― 漠然とした質問ですが、当時、女性講釈師ってどんな感じでしたか。
南華 まぁ珍しいのと、落語でも女性が少なかったんで、仕事はいっぱいもらえて、景気も良かった頃なんで、地域寄席とか商店街の催し物とか営業も色々やりましたね。女性ということであれば、まぁ女性と限定しなくても、パワハラ、セクハラ全盛期だったんで、うちの師匠はジェントルマンやったんで、そういうことはなかったですけど、よそ行ったら、“この人はもう!”という人もいて、着替える時もね、(露の)都姉さんはムームーみたいなのを着てたりして、「南華さんは着ないんですか」言われました。うちの一門の楽屋は、私が足袋(たび)履きかけたら、みんなスーッと出ていってくれて、着替え終わった頃、帰って来るみたいなんで、そういうことで嫌なことはなかったですね。
―― ジェントルマンのチームプレイですね(笑)。
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