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オシャレは落語家を変える

「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第11回

ダサくても

後輩の笑福亭茶光と、どうやったら売れるのかについて考察を重ねた。

その結果

「おしゃれな人には魅力がある」

という結論に達した。

おしゃれな人は、みんなに憧れられる。

落語「色事根問」に出てくる女の人にモテる条件が

「一見栄、ニ男、三金、四芸……」

というくらい、ファッションセンスは昔から異性を惹きつける一番の項目のようだ。

ただややこしいのが、おしゃれな服を着たら

おしゃれに見えるのかというと、そうではない。

だから、ある噺家がおしゃれな先輩のお下がりをもらって

楽屋入りをしたのだけど

先輩が着たときはものすごくおしゃれな最先端のファッションだったのが

その噺家が着たら、なんかものすごいチグハグさを出して、よりダサく見えた。

ブランド自体はめちゃくちゃおしゃれだったが

着る人によってこうまで違うのかと驚いたことがある。

おしゃれは、積み重ねだ。

ファッションレベル1の人間が、ファッションレベル50の服を着ても

着こなすことはできない。

おそらく「おしゃれ」というのは、内面から出てくるものなのだろう。

ただ、笑いのセンスや芸の質とファッションセンスが比例しているわけではないのが、唯一の救いだ。

服装に無頓着でも、凄まじいセンスで爆笑を取り、圧倒的な芸で観客を魅了する噺家もいる。

かくいう桂三四郎も決しておしゃれではない。

どちらかというと「ダサい」部類に入るのかもしれない。

まったく興味がないわけではないし

スタイルも悪いわけではないので、いろんな服が着こなせないわけではない。

ただ服選びが嫌いすぎるのだ。

基本的に服屋の店員さんが大嫌いで

「その服試着できますよ~」

と話しかけられたら、すぐに店を出るようにしている。

だいたい試着できない服があるわけない。

「きっとこいつは僕のことをカモだと思って、変な服を売りつけにくるつもりだ」

と思ってしまう。

おそらく、昔から服にあまり興味がなかったせいか

「ダサい」と言われた過去のトラウマで

アパレル関係の人間を敵視しているのだろうか。