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五稜郭始末記異聞 ~北海道に行ってきました。

「浪曲案内 連続読み」 第13回

土建王の栄光と苦難

 いまの大手建設会社の先駆けです。しかし助右衛門の人生は順風満帆だったわけではなく、部下の一人に欺かれ、工事費を騙し取られて逃げられたり、豊平橋の工事での事故で大事な跡取りの長男を失っています。

 1882年(明治15年)、北海道開拓使が廃止となると請負業をスッパリと辞め、自らの土地を寄進した札幌市豊平区にある日蓮宗経王寺、本堂の上の屋根裏部屋で暮らしました。経王寺には、大岡助右衛門の立派なお墓が建立されております。一太郎・美、心を込めてお墓と仏壇、位牌にお詣りして参りました。

 今回の札幌公演では、助右衛門が建てた経王寺と豊平館で、熊さん助さんの出会いと友情を描いたこの新作浪曲を初演しました。タイトルはその後、函館に移動して函館碧血会の懇親会で演じた時に決めました。題して「札幌創成記 ~大工棟梁 大岡助右衛門」。

 とても人間らしい人物で、『風雪の百年 北海道建設業界史』(北海道建設新聞社・著)という本には、助右衛門が札幌の神社にこもって博打をやっていた時に、「御用だッ!」と踏み込まれて捕まり、創成川(そうせいがわ)のほとりで裸にされて、鞭で百叩きの刑にあったというエピソードまで書いてあります。

 助右衛門は、お寺で仏様に見守られて67歳の生涯を閉じます。その遺骨は分骨されて、兄弟分、柳川熊吉の墓にも入っているそうです。新しい北海道という大きな土地で大きな夢を抱いて働いた男たちの生き様が、とても爽やかに映ります。